人の形をしたゴリラ ページ16
大前姉妹、万事屋一同が食事を終えて部屋に戻ると、近藤が帰宅したという報せが届いた。
挨拶に行きましょうという新八と、わざわざなんで行かなきゃならねーんだと鼻をほじる銀時。神楽に蹴り出され、渋々ついて行くこととなった。
山崎に連れられた弟二人は、風呂から上がり次第連れていくとスキンヘッドの隊士が伝言を伝えた。
「よーう、ゴリラァ」
「おお、万事屋!! 新八くんにチャイナさんも、すまんなぁ」
「こんばんは。今回は、僕らはただの協力者なだけなんで、特に何もしてないんですよ」
「話はトシととっつぁんから聞いている。その、駿河で保護した子どもというのは……」
「ああ、こちらにいます」
パン、と足で襖を開けた無礼な銀時に不機嫌な様子を見せることなく迎え入れてくれた近藤。ずかずかと上がり込んでは近藤の茶を飲むという傍若無人ぶりだが、慣れているのか笑ったまま話を進めた。人がいいのか、単なるバカなのか。
廊下に佇む大前姉妹を新八が掌で指し示すと、Aを覚えていたのか、おぉ! と喜びの声を上げる。
「あの時のお嬢さん、いやぁ挨拶が遅れて申し訳ない。真選組局長の近藤です」
「お、大前Aと申します」
「え、なに。お前ら知り合いなの?」
「前にアネゴと女子会してたらいたアル。相変わらずストーカーしてたヨ」
「アンタまだ諦めてないんですね……」
「人は皆、恋愛に関しては粘り強く生きる動物なのだよ。新八くん」
「アンタの脳がネバネバしてんだよ。動物以下の知性持ってるゴリラに言われても何も響かねーよ」
「おーい、風冷てぇよ。閉めてくんね?」
「あ、はい」
おいでおいでと皆を室内に入れ、外界を遮断した。近藤と向かい合う形で新八に並び正座するが、銀時は寝そべって鼻をほじるし神楽は胡座をかいている。それでいいのか。ここ一応真選組のトップの部屋じゃないのか。
「事件の概要は聞いた。まず、今後のことについて話そう。
君たちには、
「はい。大丈夫です」
「はい」
「さよもいーよ」
「うん、ありがとう。
江戸に来るのは初めてだと聞いていたから、慣れんこともあるだろう。そのために、君にもしばらく居て欲しい。大前さん、大丈夫だろうか」
「大丈夫です。銀時さんがお登勢さんに連絡をつけておいてくれたようで」
「そうか」
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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月23日 17時