リュックの中身パンパンにしたら誰だって動けなくなる ページ49
真選組との繋がりがある。この事実が攘夷志士に知られてみたらたまったものではない。
もし、あの子たちが駿河に戻ってまた同じことの繰り返しになったらどうする。
自分が戻ればいいのかもしれない。だが、そうなると生活は苦しくなる。聞けば、仕送りもほとんど使われたと聞いた。最初に送った後は、占拠していた彼らが食い尽くしたらしい。
「……
「いえ……局長さんは、こちらで全て持つと仰ってくれましたけど、 それに甘んじてしまっては道場と真選組との関係ができてしまうでしょう。
今回は、私が依頼したものとして終わらせる気でいたんです」
「ゴリラたちは無関係。あくまで業者はチンピラ警察お抱えじゃなく、紹介してもらっただけ……そういうことか?」
「まぁ、はい」
「……バカか、おめーは」
べちん、とタオルで額を叩いた。ぅぐ、と布団から呻き声がする。
「誰がそんなこと頼んだよ。大体、あのバカ警察と繋がりができりゃガラクタでも後ろ盾ができんだろ」
「江戸と駿河ですよ……緊急事態でもなかったら、半日かけないと着かないような田舎ですよ」
「だからどうしたよ。そんときゃ、俺たちから搾取した税金でヘリ飛ばして迎えに行かせりゃいいだろうが」
「たかだか、子どもですよ……片田舎の、道場の門弟…」
「ガキでも、一度同じ釜の飯食った野郎だろ。子どもは大人に甘えときゃあいいんだよ」
「……そうですかね」
「あァ。だから、おめーも甘えてろ。姉ちゃんだ師範代だって、おめーも色々背負ってんだろうけどよ。
お前だけが抱える筋合いは、ねぇんじゃねぇの」
バン、と勢いよく襖が開く。
女帝、鍵っ娘、機械仕掛けの看板娘がそこに居た。
「アンタが家族のためにせかせか働いてたのは知ってたさ。けど、アンタを拾ったのは私だ。少なくとも、かぶき町じゃあこのババアが親代わりだってことを忘れないこった」
「オ前ガ居ナクナッタラ誰ガ飯出スンダコノヤロー。早ク戻ッテポテサラ作レヨ、飯炊キ当番」
「A様。アナタにはメンテナンスが必要です。私が解析したところ、重度の睡眠不足並びに栄養失調、さらに血圧低下と体温上昇が見られます。
アナタがいなければ、私もキャサリン様にこき使われて修理期間を延長してしまいます。早急にお身体をお治しください」
「皆さん……」
「アンタが私に拾われたときから、アンタもウチの家族なんだよ」
「……はい」
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りんこ(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いています!もし決まってましたら、大前兄妹の年齢を教えていただけないでしょうか? (2021年2月24日 15時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年2月23日 17時