アゴ美のアゴに吸い寄せられて ページ16
連続児童失踪事件についての依頼はひっきりなしに万事屋へ舞い込む。
かぶき町内外問わずのところを見ると、被害は江戸中に拡大しているらしい。
さてどうしたものかと畝る銀髪を掻きむしり、一度捜索対象となる子ども達の共通点を洗ってみた。
皆寺子屋か、もしくは親が共働きで外に遊びに行っていること。
年齢はバラバラだが、大抵は4歳から8歳ほどということ。
失踪が発覚するのは子どもの帰宅が遅いと感じて奉行所や寺子屋に連絡してからということ。
総じて、寺子屋や遊びに行った帰りに姿を消しているとのことだった。
捜索範囲を広げてみたものの、子どもが連れ去られた現場を目撃していないために出先が掴みにくい。
また、この事件に関して奉行所が捜索を断っていることも気になっていた。
銀時は、例の紙芝居師が繋がっているのかもしれないと張り込んでみたものの、公園には不定期に来るということでなかなか尻尾を拝めずにいた。
さらに、失踪事件の噂が広まっていったため親は子どもを外に出さず、公園は閑散としているらしい。人手が少なくなったのを察知されては、紙芝居師も姿を見せなくなるだろう。
と、ここで銀時は意外な筋から情報を手にする。
「最近聞いた話なんだけど、幕府のお偉いさんがいたくかぶき町を気に入ってるらしくてね。結構色んなとこに顔出してるみたいなのよ」
銀時がバイトで何度か出入りしたことのある、かまっ娘倶楽部のあずみ、基いアゴ美からの話だった。
ただでさえ集められる情報が少ないため、立ってる者なら化け物でも使う銀時は暫く遠のいていたそこへ向かった。
普段ならば店頭でも騒がしいそこは珍しく貸し切りとなっており、 看板持ちで顔見知りのアゴ美に聞くとそう説明してくれた。
「こんな限界集落みてーな店にも来るたァ、どんな物好きだ? 化け物に性癖歪められてんのか」
「オイ、誰が化け物だ。
色事で有名な人らしいのよ。ウチみたいな店はもちろん、キャバクラにホストクラブ、スナックにソープってもう、色んなとこに行ってはお金を落としてるらしくってね。上客が来たもんだから、あっちもこっちもって綱引き状態よ」
「大層な色ボケジジイだな。女はまだしも、男もイケるクチかよ」
「ああ、それがね。幕府のお偉いさんって言っても天人なんですって。両性……なんだったかしら。男にも女にもなれるってヤツよ」
「そら便利なこったな。オメーらよりも進化してんじゃねぇか」
「誰が原始人だコラ」
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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月28日 21時