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水飴屋、いやいや紙芝居師 ページ11

たでーま、と万事屋の玄関を通ると神楽、新八はすでに戻ってきていた。その手には、先ほど銀時が公園で頂戴した水飴の割り箸が握られている。


「あ、おかえりなさい」

「おめーら、それどうした」

「フフン、聞いて驚けヨ!! 今日聞き込みしてた公園で貰ったアル!! 日頃の行いがいいせいヨ!!」

「それってアレか。紙芝居のか」

「なんだ、銀さんも知ってたんですね」

「俺も食ったし。うめえよな、それ」

「自慢して損したアル」

「それ、どこの公園だ?」

「ええと、かぶき町から外れた……ギロッポンに近いところでした」


銀時が行った公園はかぶき町内にあるのに対し、新八と神楽が水飴を頂戴した公園はかぶき町外。つまり、紙芝居師はかぶき町内外問わず活動しているということだろうか。

ちなみに何時ぐらいに貰ったと聞けば、おやつの時間に貰ったとのこと。銀時が紙芝居師を見かけたのは正午すぎだったため、移動時間を考えると同業者が複数人いると考えられる。

そういえば、と新八は水飴を舐めながら言う。


「紙芝居の人が来始めたのは、ここ最近のことだそうです。ええっと、1ヶ月くらい前だったかな。そのくらいに、不定期で来るようになったそうです」

「1ヶ月前、ねぇ…」


江戸の噂の回りは速い。例えばかぶき町だと、そこかしこの人間が知り合いのようなものだから井戸端会議で話が上がればすぐに広まるだろう。

噂が噂を呼び、子ども達はタダで貰える水飴目当てで公園に赴いては時間を過ごす。

親が迎えに来る子どもがいれば、夕方まで遊び尽くす子どもだっている。そうして一人になったタイミングで、「水飴をもっとあげる」とかなんとか言って誘い出せば完璧な誘拐の成立だ。

依頼人の親も、かぶき町の内外問わず。江戸中でこの連鎖が続いてるのであれば、失踪した子どもの数にも納得がいく。

だが、なぜそうまでして子どもを拐うのかは不思議でならなかった。

身代金目的ならば、橋田屋とか柳生家とかのセレブどころを探せばいい。柳生は子どもと見紛うくらい小さな老人はいるが。

かの珍妙な攘夷党と紙芝居師の繋がりを決めつけるのは早いなと思い直し、銀時はソファに寝転がった。


「そうだ、さっき山崎さんに会ったんですよ」

「あぁ、ジミー? どしたの、また一人あんぱん祭りやってた?」

「人探ししてたみたいですよ。確か神楽ちゃんが写真……」


振り返ると、神楽の手から何やら渡された定春がムシャムシャと食べていた。隠滅した。

しとしとと、→←攘夷と彼と



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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月28日 21時

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