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攘夷と彼と ページ10

そんなこんなで清水に執着していた高杉だが、それは誰がどう見ても『恋情』そのものだった。

だが、とうの本人はそれを否定し、さらに当事者たる清水はというと持ち前の天然なのかボケなのか「優しいよねぇ、高杉くんは」とほけほけ笑う始末。

高杉が誰か彼かとそんなに構うような人間には思えないし、実際に厨二病拗らせて世界をぶっ壊すだなんだと(のたま)うその姿は到底甲斐甲斐しさとは結びつかない。

が、本人達ももう大人なんだしいい加減気づいて欲しいところである。

高杉に至っては、遊郭で遊女を指名するも銀時と被ってしまい、選ばれたはいいが結局酒を飲んで帰ってきたままだという。その時に「清水の顔がチラついてやる気が起きなかった」とのこと。それはもはや答えでは無いのか。奴の顔を摘みに飲んだのか。

清水はというと、戦争の最中では頼りになる男だが普段は天然ボケを炸裂させるような、ギャップの温度差で風邪をひきそうな男である。

朗らかに笑う姿は菩薩か何かと勘違いするくらい穏やかで、とにかく浮世離れしたような男だった。酒を飲むとき、顔を赤らめては銀時をはじめとする志士達を褒め倒し、高杉がそれにぶすくれると「妬いちゃやだよ」とその膝で眠るような末恐ろしい男だった。

また、ヤクルコのお使いを命じられても本数が分からなかったためにありったけの金を使って購入したはいいものの、自分に必要な包帯だの湿布を買い忘れるという珍事を何度も起こしていた。

その度に高杉が鬼兵隊の備蓄倉庫から必要分取り出し、与えていたのを目撃されている。


「……ま、清水が生きてんならまだいいか」

「坂本には言わないでおいた方がよさそうだ。あの男はその気になれば、宇宙全土に清水生還を知らせるぞ」

「コエーコエー」


彼も清水を可愛がる男のうちの一人で、何やら弟のように構い倒していたこともしばしばである。たまに銀時も会う時は「シミーズくんは元気かのう?」と聞いてくる。俺に聞くんじゃねぇよと殴るが。それとシミーズはやめとけ。

これまで全く目撃情報がなかったにも関わらず、今回の事件に関与しているとなれば江戸に来たのはつい最近だろうか。事件関連で上京したのかもしれないが、それまでどこで何をしていたかは皆目見当もつかない。


「とりあえず、かの攘夷党と清水は繋がった。俺達は情報網を頼りに奴らの狙いを探る」

「税金泥棒よりも仕事してんじゃねーのか、ヅラ」

「攘夷志士たる者、何事にも手は抜かん」

水飴屋、いやいや紙芝居師→←かつての同門



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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月28日 21時

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