真実を射抜け ページ21
「鶴森の目的は、攘夷党との繋がりだとか金なんかじゃない。そもそも、献金疑惑だなんて言うけど実際に金を頂戴するのは浪士たち。
そいつらが攫う、地球人そのものだ」
「人攫いじゃねえか。身内に犯罪者がいるって知りゃあとんでもねぇスキャンダルにならァ」
「そう。彼らの生命力は短い、だから彼らにとっての長寿が多く住む江戸に目をつけた。
他の地方までは、まだ手をつけてないみたいだよ」
「狙いはつけてんのか。ご指名されたくもねぇだろうよ」
「最初は水飴を配りやすい子どもから。けど、あんまり派手にやりすぎたから親が騒いでターゲットを変えた」
「かぶき町か」
是、と頷く。
居住まいを正し、前のめりになった清水に顔を寄せた。
「かぶき町の住民は流れ者が多い。家族との繋がりを絶った人もいるだろうし、入れ替わりは激しい。いつどこで誰が居なくなっても誰も気にとめないのがネックなんだろうね」
「キャバ嬢もホストも狙われてるっつー話だ。そこんとこは無事なのか?」
「どうとも言えない。ハーメルンの成分は見た目からじゃ分からないんだ。摂取して、その作用が切れて初めて分かる」
「今まで無かったモンで、対処法も知らねぇってか」
「未知なるものだからね」
新八と神楽もおそらくその症状が出たのだろうが、清水が鉢合わせたのは残された定春だけだった。
定春のことは、実は前から知っていたらしい。
「万事屋銀ちゃん、なんてかっこいい名前つけてるからさ。一度見に行ったことがあるんだよ」
「んだよ、来てたなら言えや。茶ぐれえは出すぜ」
「お茶の前に給料払いなよ、ダメ人間」
そう言われてしまえば、ぐうの音も出ない。おそらく、久しぶりだと顔を合わせたら何かしらタカる自信がある。
定春はもちろん、神楽や新八のことも把握していたらしく、万事屋が事件について調査している情報は掴んでいた。
万事屋の前に、件の失踪事件を独自に調査していた奉行所の役人がいたらしいが、その人は鶴森の毒牙にかかったのか忽然と姿を消したらしい。
数日後に、顔がよく似た土左衛門が発見されたと言う。
「社会的にか、物理的にか。ふたつにひとつだよ」
「一つに一つじゃねぇか。どっちにしても死ぬんだからよ」
「『安蛇須党』と鶴森が接触するのは今日の夜八時。その時に、受け渡しも行われる」
「金と、人間を欲しがるか。お天道様が泣いてっぞ」
「いずれ拝めなくなるよ」
「いずれじゃねぇ」
.
今夜でシメーだ。
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たまごどーふ(プロフ) - 銀魂の男主小説、最近数少なくなってるので読めるのがとても嬉しいです…更新頑張ってください! (2021年2月19日 23時) (レス) id: 45f2a26062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月28日 21時