和尚の告白 ページ41
例の麻薬が江戸に広がる少し前。地球に薬を持ち込んだ天人と、その腰巾着である商人がこちらに乗り込んできたという。
防御一方に徹する僧侶たちに対して、天人らは拳銃を突きつけた。そして、しばらくここに停泊させろと迫ったのだという。
「彼らは、例の麻薬にお酒が反応することも知っていたため、かぶき町に出入りする人々に麻薬を提供するというお話もしていたのです」
「それで、僕たちに助けを求める形で…?」
「電話の内容や手紙のやり取りは全て彼らに管理されております。そのため、依頼という形で万事屋の皆さんにこのことを告発していただきたかったのです」
「奴らは知ってんじゃねえのかよ。清め水なんつう訳分からねえ風習でバレるんじゃねぇかってよ」
「こちらのお務めについては、不審に思われてはならないからと普段と変わらない様子で過ごせとのことでした。
清め水については、坂田さんの仰る通りです。本来ならば、それぞれの寺院が問屋から仕入れて仏閣や寺のお清めを致します。しかし、近隣の寺院も同様の事態に陥っていたため、今回のような次第になったのです」
「わざわざジンにした理由はなんなんですか? 僕たちに気づいて欲しかった? それとも本当にダジャレ?」
「仏様に仕える私たちは、本来ならば洋酒は扱いません。日本酒一択です。しかし、それに気づいてくださればという思いを込めて、見た目が水と相違ない洋酒を仕入れたのです。それと、お使いする日本酒が全て飲み干されてしまったというのもありますが」
これに気づかなければ、麻薬入りの酒があちらこちらにばら撒かれていたことだろう。銀時が勘づいて本当によかったと、新八はたらりと垂れた脇汗をごそごそ拭った。
「アンタよぉ、曲がりなりにも仏様に仕えてるんだろ? 誰にもウソつかねぇって気持ちでお務めしてんだろ? アンタがウソついてどうするよ」
「……はい、その通りです」
「ま、アンタも身動き取れなかったんだろ。しゃーねぇっちゃしゃーねぇが、仏様にゃあウソがねぇ素っ裸の気持ちでお参りしなきゃなんねぇよ」
寺院の影からぞろぞろと現れた、拳銃片手の顔色が緑色の天人と越後屋的な悪どい顔をした腰巾着。
緑色の顔色が並ぶと、こちらの顔色まで悪くなってきそうだ。
「ほんじゃあ、依頼内容は変更でいいな?」
「ここで奴らを叩く。それで構いませんね?」
「はい……正式な依頼です。
奴らを、追い出して下さい!!」
「「お任せを!!」」
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時