ゴリラストーカー、襲来 ページ27
「あっ、お客さんですか？ どうぞ、ゆっくりしてってくださいね」
「あ、はい……」
黒い隊服に黒髪、人のいい笑顔でさらっと挨拶をしてどこかへ消えていった。
背が高かったとか、渋い声とかそういうこと関係なしに、Aは来た道をダッシュで戻った。
「おっ、おおおおお妙さん!!!」
「あら、どうしたの？ 漏らしたの？」
「間に合わなかったアルか。しょーがないネ、膀胱も我慢強くなきゃかぶき町で生き残れないアルヨ」
「あ、あのっ、今日って私たち以外にお客さん来てますか？」
「いいえ、神楽ちゃんとAちゃんだけよ」
「どうした、ユーレイでも見たアルカ？」
「や、あの男の人が……」
それを聞いた瞬間、部屋の温度が急降下した。体感温度ではマイナス6度だ。
お妙は菩薩の笑みをたたえながら、その男性の特徴を問い質す。
「それ、ゴリラじゃなかった？」
「ゴリ……いえ、ヒト科だと思います。喋ってましたし…」
「その人、黒い服着てなかったかしら」
「ああ、着てました。真選組の皆さんに似たような……」
「毛深かったんじゃない？ 顎髭とかケツ毛とかあった？」
「ああ、確かに。顎髭ありました」
「ちょっと、待っててね」
言うなり、すっくと立ち上がってAが戻ってきた道を進んだ。
直後、殴打する音と男性の悲鳴が聞こえて何事かと瞠目する。心做しか、お妙の罵倒のような声も届いた。
神楽はまったり茶を啜っており、これが聞き流せるほど感覚が慣れてしまったことを指していた。
「いつものことアル。気にすんなヨ」
「あの人って、神楽ちゃん知ってるの？」
「チンピラ警察のボスアルヨ。ゴリラだけど」
「あっ、前言ってた？ 間違いじゃなかったんだね……」
「ケーサツがストーカーしてるご時世ヨ。世も末アル」
よもや、真選組の顔役とも言える人がそんな所業を仕出かしているとは思うまい。
しかも、自分の姉的存在なお妙をターゲットにして。
お妙さんもよくへこたれないものだなと感心するが、神楽はむしろ逆だと言う。
「逆って、どういうこと？」
「あのゴリラの打たれ強さはゴキブリ以上アル。何度殴られても蹴られても、ずっとアネゴにストーカーしてるアル。へこたれてないのはゴリラの方ネ」
「なんかもう、どっちが被害者か分かんないな……」
悲鳴が止んだところでお妙が戻り、いい運動になったわとお茶を啜った。
決してこの人には逆らわないでおこうと固く誓ったAは、再度厠へと行くのだった。
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柏餅(プロフ) - 神すぎますｩｩｩ😭 (4月7日 21時) (
レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ！言いたいこと分かりますかね？ (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです！！キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます！とか、保健室の先生です！とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！無理せず頑張って下さい！ (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月29日 17時
