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日常と非日常が混在する町 ページ19

その日を境に、お登勢からちょこちょことお遣いを頼まれるようになった。

問屋、町内会、少し買い物をしたりと活動範囲は広がっていく。

領収書は『スナックお登勢』で、と言うと「新人さん?」と聞かれるのにも慣れた。

顔を広くしておくのも、かぶき町で生きる手段のひとつだよ、と生き字引は言う。

その日も、回覧板を回して問屋に注文の品を取りに行った。

帰り道、普段は通らない道を歩いていると雑貨屋が目に映った。どうやら、細々としたものを販売しているらしい。

その店先に置いてある商品を見て、瞠目した。


「ほしのかけら……!!」


それは、駿河でよく持ち歩いていた金平糖だった。向こうでは真白いものと、薄紅色のものしかなかったが、ここではバリエーションが豊富であり黄色や緑などの見たことがない色が陳列している。

故郷では、真白い金平糖を買ってよく弟や妹たちに渡していた。

稽古のお疲れ様、試合で一本取れたご褒美、何か寂しいことがあったときに励ましたり、嬉しいことがあったときに良かったねと、様々な場面で登場していた。

ただ、小瓶に入った金平糖は消費量が凄まじく、一日一粒と制約を設けたにも関わらず買った翌週には瓶は空っぽになっていた。

だが、あのとき売っていたものよりはふた周りほど大きい。しかし、やはり値が張る。

ううん、と悩み、薄ら寒い懐と相談して、薄紅色の星の欠片が詰め込まれた瓶をレジに持って行った。



よい買い物ができた、とほくほくして帰路を歩く。

ゆったり流れる時間に身を任せていると、辺りが途端に騒然とする。

何事、と歩を止めると、後方から何やら男性が追われていた。

ちゃらちゃらした風貌の帯刀で真選組か? とも思ったが、追いかけている側が隊服を着ているので違うらしい。

とりあえず邪魔にならないように避けておこう、と道脇に身を寄せる。

すると、何たることか。男性はそのままこちらに近づいてきているではないか。

待ちやがれ!! と聞き覚えのある声は、つい数日前にスナックに訪れた煙草の男性のもので。

では攘夷志士? それにしても、こんな都会に染まりきったような姿だっただろうか。

知らぬ攘夷志士と、知っている警察。どちらを優先すべきか、猿でも分かる。

問屋の遣い物と持参用の菓子を足元に下ろし、道脇から道路の真ん中に移動する。

攘夷志士もこちらに方向を変えてきたため、目的は自分だとわかった。

ああ、人質か。なぜだか手に取るように考えが分かる。


「では」

御用改めである→←昔を馳せて



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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月29日 17時

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