昔を馳せて ページ18
「あんなチンピラ警察頼っちゃダメヨ。すぐに税金持ってかれるアル」
「帯刀していいんですね、あの人たち…」
「ま、腐っても幕府の人間だからよ。それなりに許されてるモンもあンだろ」
ガツガツと白米を平らげる神楽の傍ら、米粒を口端に付けた銀時が箸を向ける。
何かといってはいがみ合い、掴みあってはケンカする。その因縁は凄まじい。
特に、局長は万事屋連中、特に新八に対しては何かと気にかけているらしい。何故と聞けば、青汁を一気に飲み込んだような顔をされた。
「姉上のストーカーなんです」
「す……えっ?」
「いつだか、キャバクラの社交辞令真に受けて求婚したらしくてよ。偏差値ゴリラレベルなんだわ」
「ゴリラはもうちょっと知能指数高いはずなんですけどね」
「え、人間じゃないんですか?」
「ゴリラアル。人間の形したゴリラヨ」
「どっち?」
毛深い人間、けどその相貌はゴリラと遜色ないと、散々な言われようだ。
銀ちゃんと同じ臭いがするアルと言われ、思わぬとばっちりを受けた銀時は突っ伏した。
「真選組って警察なんですよね?」
「テロ対策のね。主に攘夷志士をとっ捕まえる特殊部隊みたいなもんさ」
「攘夷志士……」
かつて、攘夷戦争で国を守らんとする英雄たち。
今ではすっかり悪者扱いということか。何たる皮肉だ。
「あんなにかっこよかったのになぁ……」
「え?」
「あ、いや。昔、志士の方に会ったことがあって……ほんの数日なんですけど、実家に泊めてたことがあるんです。もう、随分と前に」
10年ほど前だったか。
茂みに隠れるようにして倒れていた、白い羽織の剣士だった。
散歩していたときに偶然見つけ、おやつとして持っていた大福と水をあげたら、喉を詰まらせて食べていた。
ありがとう、と撫でた手は傷だらけで。
その手を掴んで、道場に連れてきたことがあった。
今思えば、ませていたなぁと苦笑が漏れる。
「駿河の方も、戦場だったんですか?」
「んん、そう言われるとちょっと違うような……
多分、遠征だったんじゃないかなと。物資の補給とかで」
「ウチに連れ込んだアルか!! なんてふしだらな」
「語弊があるよその言い方!! 違う違う、ふしだらっていうか、当時私まだ7歳とかだったし」
「その当時から手篭めにしてたと。アンタなかなかやるじゃないか」
「お登勢さん!!」
いらぬ墓穴を掘った。
いらんこと言わなきゃよかったと思ったが、神楽とお登勢のからかいがくすぐったかった。
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時