チンピラ警察24時 ページ17
それだけならまだしも、たまたま非番だった隊士がそれを目撃して御用改めされたとか。
彼らと知った顔の万事屋は喧嘩でスロット台を壊し、玉を飛散させ、終いには景品台ごと破壊したことで現場は騒然となったという。
ちなみに、件の攘夷志士は騒ぎのいざこざに紛れて姿を消した。
銀時と旧知の仲だという攘夷志士がバイトしていたことを本人たちは知らなかったらしく、事情聴取を受けて今帰されたところだ、というのが一連の流れだ。
本来ならば器物損壊罪で逮捕だが、隊服の彼らもガッツリ壊していたということで弁償金を折半して落ち着いたらしい。
「なんというか……お疲れ様、でした？」
「マジでヅラがいたって知らなかったしよぉ……税金泥棒のくせに頭かてーんだよ。なんですか？ お前らの頭はダイヤモンドか？ キラッキラしてんのか？」
「それ遠回しにハゲっつってんのかコラ」
「あらら、やだねぇ被害妄想ひどぉい。誰も土方くんのことV字ハゲだなんて言ってねぇじゃん」
「俺限定だろ!! V字って好きでこうなってんじゃねぇわ!!」
「やめてくださいよ、いい大人が……」
いち早く解放された新八が嘆息する。気のせいかもしれないが、新八がため息をついているところばっかり見ている気がする。
銀時と額を突き合わせている彼を訊ねると、幕府特別武装警察 真選組の幹部だという。
副長の土方十四郎、切り込み隊長の沖田総悟、ここにはいないが局長の近藤勲とは既知の仲なのだと紹介してくれた。
なんというか、隊服を着ていなければ補導される側に居そうだなという感想を抱いた。
それはあながち間違いでもなく、チンピラ警察という不本意な異名を持たされている身としてはかなり該当している。
「あらら、新人さんで？ こいつァまた調教しがいのある女で」
「テメークソサド!! Aに触んじゃねーヨ!!」
「へぇ、Aってのかィ。アンタ」
「え、あっ」
うろたえるのをよそに、栗色の髪をした端正な顔立ちの隊服が近づいてくる。
これは逃げた方がいいのだろうか、と逡巡していると、隊服の裾を思い切り誰かに掴まれていた。
「……おっと、こりゃ失礼。旦那のコレで？」
「田舎出の娘っ子、ビビらせてんじゃねェや。総一郎くんよ」
「総悟です、旦那」
ぴこぴこ小指を曲げてみせる沖田に対し、そんなんじゃないと言わんばかりに眉を顰める万事屋店主。
助かったのだろうか、と戸惑うAを置き去りに、隊服の彼らは用は済んだとばかりに店を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 550人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柏餅(プロフ) - 神すぎますｩｩｩ😭 (4月7日 21時) (
レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ！言いたいこと分かりますかね？ (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです！！キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます！とか、保健室の先生です！とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！無理せず頑張って下さい！ (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pillow | 作者ホームページ：
作成日時：2021年1月29日 17時
