家賃は耳揃えて払うべし ページ16
それから程なくして、万事屋は各々バイト先を探し細々とした資金を稼いでいるらしい。
パンの耳がご馳走になっているんですと聞いて、なんだかいたたまれなくなった。
「あのバカが家賃滞納するのは今に始まったことじゃないよ。次はたまを送り込んで回収させるさ」
「たまさんを?」
「以前にもあったのさ。そのときはちゃんと耳揃えて返してくれたけどね」
なんでも、歌を歌い終わるまでに家賃を払わないと実力行使に出ると言って玄関を破壊したらしい。
やや古びた二階建てにも関わらず、なんとなく真新しいように見えたのはそのせいかと納得した。
「キャサリンもね。たまが来る前はよくやってくれたもんさ」
「鍵っ娘、でしたっけ。なんだか意外ですね」
「どいつもこいつも、ろくでもない過去持って流れてきた社会不適合者だよ。アンタは間違えても盗っ人なんてすんじゃないよ」
「はい」
タダイマ帰リマシタとキャサリンが帰宅し、ガソリンを給油していたたまも戻ってきた。
表の用意は2人に任せ、Aは台所に立ちお通し用に用意していたナマコの酢漬けを冷蔵庫から取り出す。
一口サイズに切り、小鉢に盛っておしまいだ。
それから、ひじきの和え物やナスの漬物、意外と大根サラダなんかも人気である。
ある程度揃え終わると、まだ暖簾を出していないにも関わらずお客の声が聞こえた。おや、と手を洗い表へ出る。
見ると、バイトに行っていたはずの万事屋3人組とその後ろに真っ黒い制服を着た男たちが並んでいた。
何事かと瞠目すると、煙草を咥えた男性に首根っこを掴まれていた万事屋の社長と目が合った。よぉ、と軽く手を上げるが呑気に返答するほど空気が読めない訳じゃない。
「いい加減離せヨクソサド!! 私たち何もしてないアル!!」
「重てーェ犯罪してるヤツほど弁解しやがんでィ。今日は見逃してやってんだ、感謝しな」
「誰がするかヨ!!」
何があったのかとお登勢に訪ねると、どうやらバイト先で一悶着あったらしい。
本日のアルバイト先は、なんてことないただのパチ屋で、銀時は店内の玉回収、新八は掃除、神楽は会計の補佐的な仕事をしていたらしい。
普段はサボりまくる銀時と神楽だが、お登勢の知り合いだと自己紹介された店長がいる前ではしっかり真面目に働いていたという。
では何があったのかと聞けば、同じくバイトをしていた人が実は攘夷志士ということが発覚した。しかも、目下お尋ね者として知られる大物である。
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時