江戸に蔓延る薬 ページ33
「そうか、やはり出始めたか……」
「つーかさ、前々から分かってたんなら止めることぐれえできたんじゃねぇの? ヅラぁ」
「ヅラじゃない、桂だ。売買している奴らの根城は掴んだが、そこはあくまで備蓄しているだけに過ぎん。本来の生成の現場で根本から叩かねば、いくら叩いても無駄に力を使う」
「そこに行かねーってこたぁ、もう先越されちまったか」
「先日、真選組の連中が踏み込んだらしい。捕縛されたのは、天人のチンピラや薬の商人ばかりだ。取引の現場を現行犯逮捕だそうだ」
「じゃあ何か。売るブツはあっても工場長はそこに居ねぇってか」
「そういうことになるな」
万事屋銀ちゃんの事務所にて、ペットのエリザベスを連れて来た桂と向き合う銀時。ここ数日で起こった出来事を話すと、驚いた様子はなく淡々としていた。
『玄楽郷』という代物は、一旦は真選組によって押収されたが広く出回っていることは確かだと桂は言う。他の星から密輸され、検問をクリアしたとなっては入国管理局の名折れとして、幕府側も躍起になっているそうだ。
密輸は体内に隠して行われるため、多くは持って来られない。そこで、江戸よりも離れた遠方の土地に住居を構えて生成しているのでは無いか、というのが桂の見解だ。
江戸では見廻組や真選組が出張っているため、監視の目が行き届かない江戸周辺の土地にいると考えられる。
あくまで今回御用改めされたのは、薬を商人が仕入れている現場だ。怪しげな薬を作っているところではない。
「原材料は地球でも手に入れることができるそうだ。そうなると、生成は限りなく出てしまう」
「ったく、どうすんだよ。あっちこっちにばら撒かれてるんだろ? 被害は江戸だけに留まるとは限らねぇぜ」
「患者は病院でワクチンを打つことで症状が徐々に収まるようになっているとのことだ。ただ、それまでは症状が出ない限り誰が摂取しているのか否かが分からん」
「暴れ馬になったところを抑えろってか。ケッ」
「そういえば、以前お前が助けたおなごがいただろう」
「あ? ああ……」
「そのとき、男に腕を掴まれていたと言ったな」
「おぉ。酔ってんのにめちゃくちゃ力強ぇって……」
「……かぶき町が狙われたのは、それが理由かもしれん」
「あん?」
「件の薬は、ある成分に反応することで筋肉や細胞に強力な刺激を与えることができる。そして、患者の多くはかぶき町から出た。
このつながりとして……」
「酒か!!」
「そうなるな」
かぶき町と玄楽郷→←若い時は勢いが大事だが歳をとると慎重になることの方が多い
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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pillow | 作者ホームページ:
作成日時:2021年1月29日 17時