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突撃、二階の万事屋さん ページ23

「あ、定春! ご飯はもう食べただろ?」

「わふっ」

「大丈夫ですか? 噛まれたりしてませんか?」

「え、ええ……大丈夫です」

「ああ、よかった。
よく人を噛むんです。銀さんなんて、しょっちゅうで」

「それは、懐かれているという意味の?」

「うーん……舐められている、の方が正しいのかな」


むしろ神楽ちゃんの方に懐いてるような、と困り眉になり、飼い主でも格付けがあるんだなと悟った。

お茶淹れますね、こっちが居間ですと案内された先には大皿を持って天を仰ぐ少女と、ソファに寝転がりテレビを眺める万事屋社長の姿があった。

がたん、と皿をテーブルに置いた神楽はAに気づき、口端に米粒を付けてオウ!! と手を挙げた。

こんにちはの意味を含めて、手を挙げて返す。


「何したアルか? ババアに追い出されたか」

「鍵忘れちゃったから、こっちに来たんだ。お邪魔します」

「いいアルよ。依頼料は酢昆布アル」

「こっちにも酢昆布あるの!?」

「いやどこに反応してるんですか? ありますよ、酢昆布くらい」

「駄菓子屋さん、あるんですね……」

「逆になんでないと思ったんですか?」


江戸は随分と近未来的で、自分が住んでいた地域にはファミレスはおろかビルなんてものは存在しなかった。

あったとしても、都市部に近くぽつぽつとしかなかったため、剣山のように並ぶビルやそこらにある店は物珍しいものばかりだったとのこと。

駄菓子屋という、古き良き時代の象徴はないのかとやや落胆したが、 嬉しいことに酢昆布の存在で少しだけ気分が上がった。


「そんなに珍しいもんかね。あっち行きゃキャバクラ、こっち行きゃバケモンの店しかねぇよ」

「お水の店もほんの少しだけだったんです。今やってるのかな」

「ヨシ、ワビシーオマエに酢昆布恵んでやるヨ。倍にして返すネ」

「え、ありがとう。いいの?」

「かぶき町の女王からの恵みアル。涙流して食べるネ」

「金欠丸出しチャーハン食ったお前に貧乏扱いされたかねぇだろうよ」

「有難く頂戴しますね」


おお、酸っぱいと顔を顰めて酢昆布を噛み締めるAにシシシと笑う女王。

こっち座れヨと隣を促す女王に従い、客人はちょこんと腰をおろす。

新八は大皿を台所へ持っていき、茶を淹れた。


年頃の女の子と遊ぶ機会はあれど、こうして誰かを招いて話すことなどなかった神楽にとって、彼女の来訪は棚から牡丹餅だっただろう。

きゃらきゃらと笑う二人を横目に、保護者はふと口角を上げた。

友達の家に行く前日ってワクワクしない?→←万事屋にお邪魔します



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柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ😭 (4月7日 21時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
わか - 原作を守りつつ良い感じにキャラと関わる位置にいる感じ!言いたいこと分かりますかね? (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
わか - こういう設定好きです!!キャラとのほどよい距離感というか、食堂で働いてます!とか、保健室の先生です!とか、 (2021年7月31日 19時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
ユユユ - めちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしてます!無理せず頑張って下さい! (2021年2月7日 12時) (レス) id: 2ebf8b6b93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pillow | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年1月29日 17時

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