甘いお城の中で (ページ14)

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第11話弱点ページ14

A「え…どういうこと？」

プリン「…この銀のスプーンを用意したこと、偶然じゃなかったらどうするって」

プリン「…聞いてんのよ」

A「ぷ、プリンちゃん…？」

明らかにプリンちゃんの顔つきが変わっていた。

もちろん声質も、口調も。

プリン「まあいいわ。すぐに記憶は上書きされるから、なにも考えなくてもいい。」

プリンちゃんがこちらにツカツカと歩いてくる

A「な、なに…？」

プリンちゃんは私の目の前で立ち止まり、手を

私の頭横に突き付けられる。

何をされるのだろうか。怖い。

A「や、やめてっっ」

プリン「じっとしてて」

暴れて逃げ出そうとするが、プリンちゃんに

腕を掴まれ身動きがとれない。

すごい力だ。

プリン「…すぐ終わるわ」

その瞬間。

勢い良くプリンちゃんの手が私の頭に

滑り込んできた。

ぐちゃぐちゃと頭の中を掻き回される。

吐き気がする。

A「あっ…ぁ゛う゛」

A「…や、やめ…気持ち、わる…い」

くらくらする。めまいが止まらない。

プリン「……」

～プリン視点～

勢いよく彼女の頭の中から記憶のフィルムを

引っ張り出す。

プリン「でも、祖竜族の弱点が銀だと言うのは本当だったのね？」

プリン「銀アレルギーだなんて、この子は祖竜族は銀に触れることができないということを知らされていないのかしら。」

プリン「人間に無害な銀、祖竜族にとっては毒となる。水銀は人間にも毒だけど、祖竜程じゃないわ。」

プリン「この一族の弱点も確かめられたし、それでいいわ。」

フィルムの一部を切り取る。

プリン「張り替える物もないし、このままでいいかしらね。」

そのフィルムを彼女の頭に戻す。

A「……」

気を失っている。

プリン「さてと…、この子をベッドに運んで、それから火傷をした場所に包帯を巻かないと。」

彼女を担いでベッドに移動する。

プリン「…もう火傷が治ってきてる。」

爛れていた彼女の指は、

ただの火傷程度に赤くなっていた。

プリン「治癒能力も高い…なるほどね。」

薬を塗って、包帯を指に巻いていく。

最後にシーツを彼女の胸元まで被せる。

プリン「…おやすみなさい」

プリン「お姉さま？(ﾆﾔﾘ」