fourteen-[泡沫] ページ14
『じゃあ また後でな』
九井様がそう言うと電話は切れた……
私は九井様と電話で話している時でも花垣さんのあの目と言葉がどうにも頭から離れなかった
頭の中で整理をして忘れようとしても……どんどん心がぐちゃぐちゃになっていくだけで どうにも出来なかった
とりあえず…まだ任務があるためそっちに向かう事にした…
三途様を待たせているため急がなければ……
私は心が整理していない状態で三途様の元に向かった
korunから出ると見覚えのある車があった
「三途様……お待たせしました…」
私は車の助手席の扉を開け 薬の代わりである煙草を吸って運転席に座っていた三途様に声をかける
「あんま…待ってねぇよ…早く乗れ！行くぞ…」
「了解しました」
私が助手席に乗ると三途様はすぐに車を発進させた
「今回の裏切り者は何処の者ですか？」
「アァ？ 黒川組のもんだよ…だから話があるからいつもの港に来いって言ってある…」
「そうなんですね……では黒川組の頭と若頭と部下のものが一人という感じですかね？」
「そうだろぅな……いつもそんな感じだったからな」
そんな会話を三途様と交わしながら向かっていると気づくともう着いていた…
色々な工場を通り抜け 今は廃墟となった工場に車を止めて武器があるかどうか確認してから奥の港に向かう
「A……気ィ抜くなよ…あそこの奴らは俺が言えることでもねぇが狂ってるからな」
「承知しております」
「ならいい…」
港に着くとそこにはもう既に黒川組の頭と若頭と部下の一人が立っていた
「これはこれは三途さんお待ちしておりましたよ…今回はどういった依頼でしょうか？」
「そうだなぁ……今回お前らに頼むのはなぁ…… 」
三途様はそう言いながら胸元の懐から銃を取り出し
黒川組の前まで投げ飛ばす
「ソレで全員脳天ぶち抜いて死んでくれ」
「なｯ―！！三途さんどういうことですか？」
「俺達は何も悪いことはしていませんよ」
「アァン？うるせぇな…せっかく慈悲の精神をこっちがかけてやったのによぉ……」
「A…殺れ…」
私は三人の前に立ち引き金をひいて脳天を撃ち抜いた
「A……どうした？手震えてんぞ」
三途様に言われ私も気づいた……手の震えが止まらなく額から少し汗が出ていて右目からは涙が零れた
三途様はそんな私を見て驚きながら近づいて私の体を抱きしめてくれた
そしていつもとは違う優しい声で
「A――なんかあったのか」
と声を掛けてくれた
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作者名：NOAH | 作成日時：2021年11月2日 1時
