two-[雨百合] ページ2
-Aside
雨の音はこの世界の息苦しさをかき消してくれるようで、昔から好きだった
リビングで大雨が降っている空を窓越しに見上げる
「A 居るか？」
私を呼ぶ声が聞こえそちらに振り返るとびしょ濡れの九井様が立っていた
「九井様 その状況はどうしたのですか？」
「あぁ…ちょっとな」
「待っていてください…タオル持ってきますから」
私は小走りで自室に向かい自分が持っているタオルの中でも大きなものを持って九井様の所まで戻る
「九井様 これを」
「すまねぇな」
九井様はそう言い私が持っているタオルを申し訳なさそうに取り自分の頭などを軽く拭いていく
すると九井様の後ろの扉が突然開き、そこに背中を預けながら拭いていた九井様はバランスを崩して倒れそうになる
「九井様ｯ！？」
私は咄嗟に九井様の頭が床に打たないようにするため九井様を支えようとする
だが下には何も無いのだがつまづいてしまい私も倒れてしまう
「……ｯ!!」
私が上半身を起こすと………
なんと私の下に九井様が倒れており私が九井様に馬乗りになっている状態だった
これを見られる前にどかなければと思いどこうとすると
「あらァ〜Aちゃんったら大胆なことしてるねぇ〜♡」
私の目の前にはいつの間にか蘭様のお顔が……
もう無理です…九井様にこんな失礼な行動をしてしまった上にお恥ずかしい姿を見られてしまうなんて
何よりも蘭様が今写真でこの状況を撮っている……
私は下に九井様がいるのも忘れ上半身を再び倒して顔を隠す
「お前あんまりAをからかうんじゃねぇぞｫ」
九井様は蘭様にそう言いながら私の頭を幼子をあやすかのように撫でる
「はいはい…それと今から緊急会議始まるから会議室向かうぞ」
「Aちゃんは蘭ちゃんと一緒に会議室まで行こうね」
蘭様はそう言うと私を起き上がらせ九井様から引き剥がし私の手を握って会議室まで走りながら向かう
「おまっ！待ちやがれ！！」
「九井がお怒りだ〜Aちゃんもっと走れる？」
「はっはい。」
体力も少し疲れてきた頃にやっと会議室の前に着くことが出来た
「いやぁ〜怖かったね」
蘭様は少し笑いながら会議室の扉を開ける
すると中には九井様と望月様以外がもう既に集まっていた
「遅れてしまい申し訳ありません」
私はそう言い礼をする
「Aここにおいで」
ボスはそういい自分の横を指す 私はそのままボスの横に立つ
するとそれと同時に九井様と望月様が会議室に入ってきた
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作者名：NOAH | 作成日時：2021年11月2日 1時
