爆豪勝己ってやつの暴言日記。 (ページ45)

今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:152,003 hit

花火を見つめる顔は美しいページ45

「あ！私もわたあめ食べたーい！！」

「あ！おれも！買いに行こーぜ！！」

「やおもも、金魚すくいいこーよ！」

「金魚すくい……！？そんなものがあるのですか！？」

じゃ、あたしは神社の石階段に座ってやきそばでも食べるか。

「ねぇ。大声出さないでよ？？叫んだら首にボロボロになっちゃうからね？？」

首筋がヒヤリとした。それとこの声ー。この喋り方。ゆっくり振り返ると、

死柄木弔。

ーーーーーーーーーーーーー

「あ！Aちゃん！！探してたんだよ～！」

「ほら、爆豪くんもきた！！」

そう言ってお茶子はあたしの手を引く。

「………！！」

目が会った瞬間、暗いけど頬が赤くそまったのはわずかに分かった。

『ったく。遅いっての。』

「わりぃ。ついてこい。」

『え？なに……』

そう言われて着いてきたところは、神社の裏の坂道を上がった丘の上。

『あぁ～！！疲れた。ってかなんでこんなところに、』

足のかかとも痛む。浴衣も着崩れが心配だ。

ﾋｭｰｰｰｰｰパーーーーーーン！！！

あ。花火。

『花火見る場所探してておくれたなら早く言えよな。』

「うっせェ」

あたしは最後になるかもしれない花火を見上げる。

『あらためてよく見るとさ。綺麗だよな』

「なぁ……。なんで、おまえ泣いてんだよ」

『え？……あっ』

いつの間にか涙が頬をつたう。くすぐったい。

『なんでだろうな。』

自分でも涙を流していることに気づき、手で目元を拭う。

すると、勝己があたしの手をそっと握る。
あいつの手は大きくて、暖かった。

『手震えてんぞ。緊張してんの？』

「……うるっせぇ！！」

「約束だからなァ。俺から離れんじゃねぇ。」

『わかってんよ』

ごめん、勝己。あたし嘘ついた。