彼氏の束縛に困ってます【斉藤壮馬】

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江口｢打ち上げに参加するの珍しいね。｣

｢江口さん。私は恨んでますよ。｣

江口｢えぇぇぇぇ！なんでよ！｣




　









*









烏龍茶を飲み干しながら、江口さんをにらむ。


もともとお酒は弱いのもあるが、壮馬がいないところではお酒を飲まないと言う約束もあって、烏龍茶。

過保護というか、なんというか…。









*









｢壮馬に私が打ち上げ行くって言いましたね…。｣

江口｢うん。彼氏様に報告しとかないといけないでしょ。｣

｢そのおかげで、大変な目にあったんですよ！｣

江口｢大変な目ってどんなこと？具体的にー。｣









*









ふふ、って笑う江口さんは大変な目というのがどんなことかきっと理解して聞いてきている。


言うわけないじゃないですか、と答えながら、タッチパネルで空になった烏龍茶をもう一杯注文する。




昨日は嫌ってほど、たくさんキスマークをつけられて、そのせいで今日はハイネックの服。

髪も下ろして、なんとか隠している。



家を出る前に満足げに微笑む壮馬がフラッシュバックして、苛立ちがわいてくる。

その苛立ちを吐き出すように、大きなため息をつく。









*









スタッフ｢おつかれですか？｣

｢あ、いえいえ。すみません。｣

スタッフ｢忙しいですもんね…。
そーいえば、お酒飲んでないようですけど飲めないんですかー？｣

｢いえ、そんなことはないんですが…。｣

スタッフ｢こーいうときはお酒をパーって飲むのが一番ですよ！これどうぞ、口つけてないので。｣









*









隣に座っていた同い年ぐらいの男のスタッフさんから、飲み物を渡される。


女の子が好きそうな、甘そうなカクテルだ。

きっとお酒を飲まない私を気遣って、ご厚意で注文してくれたのだろう。

でも壮馬との約束が…と、頭のなかでゆれる。

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