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慌てて教室に戻ると、マリンが私の近くに寄って来ようとしていた。

でも、既にチャイムは鳴っていたので、私に声をかけるのはやめたみたい。



翼が前に出て、HRを始める。


内容は全く頭に入ってこなかった。
外の方を眺めて、ボーっとしていただけ。



「・・・以上です。HRを終わりにします。」


気付いたのはHRが終わる頃。
私、大丈夫なのかな。





放課後、家に帰り、秀明に行く準備を始める頃、奈子が話しかけてきた。



「お姉ちゃん・・・・何でそんなに普通でいられるのぉ・・・・・」


ここで言う普通とは、きっと転勤すると決まったのに何故悲しまないのかってことだろう。

馬鹿ね、奈子。
普通なわけないじゃない。


きっと家族がこの場にいなかったら、わんわん泣いてたよ。

でも、それが出来ないんだよ。
私はもう子供じゃなくなってきてるの。
私は奈子のお姉ちゃんなの。

泣けるわけないじゃない。



「あのね、奈子。これは私たちのためでもあるんだよ。」

「え・・・・?私たち?」

「うん。まず、転勤の理由はパパの仕事でしょ。私たちはパパが頑張って仕事してお給料もらってることで生活できてるの。パパが家計を支えてるのよ。そのパパが仕事辞めちゃったらどうなると思う?」

「・・・・・・・貧乏になっちゃう?」


「そう、暮らしていくのが大変になるの。」


「えっ!?ご飯も食べれないの!?」


「まぁ、貧しくなるだろうからあり得るかもね。」



奈子は絶望。

おいしいもの、大好きだからね。


「それに、パパが転勤したくないって偉い人にワガママ言ったらどうなると思う?クビだよ、クビ。」


「そんなのヤダッ!!!」


「ね?嫌でしょ?転勤は仕方ないんだよ。諦めるしかないの。」



奈子は文句を言いたがってたけど、何も言い返せない状態だった。
しばらくすると、奈子の目から大量の涙があふれ出てきた。


わっ、逆効果だったかも。


でも、奈子は泣き叫ばず、静かに涙流した。

転勤すると知った日の私みたいに。




「嫌だよね。転勤なんて。わかるよ。すっごく。」



私はゆっくり奈子の頭を撫でた。

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設定タグ:探偵チームKZ事件ノート , シリアス , 葉月   
作品ジャンル:泣ける話
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葉月(プロフ) - ふぶきさん» ありがとうございます!今後も更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年4月23日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - アーヤの行動に何となく緊張しながら読んでます←語彙力………今後の展開が楽しみです。これからも頑張ってください! (2019年4月23日 17時) (レス) id: b33e72eeee (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - sakura!さん» お気遣いありがとうございます。更新頑張ります! (2019年4月23日 17時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
sakura! - 葉月さん» ハイ(^^♪次の更新待ってます!(と言っても、焦らず自分のペースでお願いします!) (2019年4月22日 20時) (レス) id: ef27f9c60f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - sakura!さん» 面白いと言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張りますね。 (2019年4月20日 13時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokonehomupe  
作成日時:2019年4月13日 18時

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