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1人で抱え込んでいた悩みを悠飛に話したおかげで心が少しだけ軽くなった気がした。
私は少し微笑んで教室に戻った。

文芸部を辞めちゃったことは残念。
でも、こうやってどんどんお別れをしていかなくちゃいけないんだ。
いつまでも泣いてたら駄目だ、これからはこうやって思い切って別れを告げるんだ。

そう、KZにも・・・・・・


いつか別れを告げる日が来ることは知っている。

けれど、どうやって?

私にはそんなことできるんだろうか。
もしかしたら臆病だから、嘘をつくのかもしれない。
それだけじゃない。
転校した後から事実を伝えるのかもしれない。

どちらにせよ、別れを告げなければならないってことは確実。

私は一気に気が重くなった。







「アーヤ、KZの集合かかったよ。」


放課後、帰る準備をしていた時、翼がそれだけを言って部活に向かって行った。
きっと前のこと、根に持っているんだろう。


転校のことを翼に話せなくて、心の友と思われてない、そう感じたのかもしれない。

そう思った瞬間、教室を出て行った翼を追いかけた。



「待って、翼!」


階段を降りようとしていた翼を呼び止める。

翼は私の方を見る。

その目は少しだけ冷たかった。



「翼は心の友だからね。ちゃんと友達だからね。誤解しないでね。」



言えることはただそれだけだった。

けど、とにかく伝えなくちゃ、そう思った。



翼は少し顔を下げ、表情を変えなかった。



「じゃあさ・・・・片山の方が合ってるんじゃない?」


「え?」



何で悠飛が出てくるの?

関係ないじゃない。



「今日の昼休み、見ちゃったんだよね、俺。片山と親密に話してるとこ。盗み聞きするほど悪い奴じゃないよ、でもね、聞こえちゃったんだよ、悩みっていう言葉が。」



背筋がゾクッとした。

嘘、聞かれてたの。



何て言おうか、迷って迷って。

結局何も言えなかった。



「ねぇ、俺、怒ってないからさ。答えてくれない?心の友だったら言えるんじゃないの?違うの?」


私は何も言えなかった。


すると翼は「無理、か」と言って階段を下って行った。



翼の姿が見えなくなると、余計辛さが増してきた。









「馬鹿・・・・・・・・私。」

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設定タグ:探偵チームKZ事件ノート , シリアス , 葉月   
作品ジャンル:泣ける話
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葉月(プロフ) - ふぶきさん» ありがとうございます!今後も更新頑張っていきますので、よろしくお願いします! (2019年4月23日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - アーヤの行動に何となく緊張しながら読んでます←語彙力………今後の展開が楽しみです。これからも頑張ってください! (2019年4月23日 17時) (レス) id: b33e72eeee (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - sakura!さん» お気遣いありがとうございます。更新頑張ります! (2019年4月23日 17時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
sakura! - 葉月さん» ハイ(^^♪次の更新待ってます!(と言っても、焦らず自分のペースでお願いします!) (2019年4月22日 20時) (レス) id: ef27f9c60f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - sakura!さん» 面白いと言っていただけてとても嬉しいです。ありがとうございます!更新頑張りますね。 (2019年4月20日 13時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokonehomupe  
作成日時:2019年4月13日 18時

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