No.68 互いの気持ち ページ21
私たちは、わざわざ授業の時間を使って、話し合いをすることになった。
次の授業は国語だったから楽しみにしてたのに、その国語が潰れちゃった。
まぁ・・・あんな状況でまともに授業なんかできっこないよね。
「まず、何が起こったの?簡単に説明してちょうだい。」
相川先生の質問に、皆は答えられなかった。
もちろん、私も。
気まずい空気が漂っている中、翼が立ち、説明をし始めた。
「組体操練習の時に、持ち上げる側が上に乗る側を落としてしまった件について皆で話していました。最初は普通の話し合いだったんですが、次第に持ち上げる側と上に乗る側が言い合いになってしまいました。」
「・・・・・そう、ありがとう、美門君。」
翼は「いえ」と言って座る。
きっと、このクラスの代表委員だから、責任感じてるんだろうな。
だからこそ行動に移すことが出来て凄いって思う。
「言い合いはどんな言い合い?」
「それは・・・・持ち上げる側は大変だけど、上に乗る側はただ乗ってればいいだけだから楽だよねって、上に乗る側を馬鹿にしてきて・・・・」
「でも、それは事実だし。持ち上げる側の方が力入れるし、大変なのに。こっちは上に乗ってる子の安全も考えてやってるのに・・・・」
相川先生は何も言わずに聞いていた。
「そう、そんなことがあったのね、お互い。」
もしかして・・・怒らせちゃったかも・・・?
「まずは上に乗る側の子に言います。貴方達、持ち上げる側の子のこと考えたことある?言い方は悪くなるけど、上に乗る子は持ち上げる子より楽です。けど、高いのが怖かったり、持ち上げる側の子が震えて落ちそうだったり、たくさんの恐怖を味わうのは上に乗る側の子でしょう。でも、それは同じです。持ち上げる側の子も、貴方達を安全を考えて恐怖を味わってるんです。」
相川先生は話を続ける。
「次に持ち上げる側の子。たしかに、土台になって持ち上げたりするのは大変でしょう。だからと言って上に乗る側の子を馬鹿にしてはいけません。皆、同じなんです。つまり、今、貴方達に必要なことは、お互いの気持ちを考えるということです。上に乗る子も持ち上げる子も、どちらも一生懸命頑張ってる。だからその努力を無駄にしないよう、協力して。組体操は命がけと言ってもいいくらい危険です。だから頑張るんです。お互い協力して、信じて。」
相川先生の言う通りだった。
お互いの気持ちを考える・・・
私も紫苑の気持ち、考えなきゃ。
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愛莉 - 続きがすごく気になります!! (2月2日 15時) (レス) @page32 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 続きみたいです! (2020年5月14日 14時) (レス) id: 9ecc4550ca (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - はい、頑張ってください!応援してます! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 彩さん» ありがとうございます!大好きだなんて言ってくれて嬉しいです。更新頑張ります! (2019年3月29日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - このお話大好きです!、これからも頑張ってください! (2019年3月29日 17時) (レス) id: 8df2bc3d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/
作成日時:2019年3月10日 19時