73、小塚君との電話 ページ4
放課後。
私は原口希のことが気になって仕方なくて、とりあえずこのことを小塚君に伝えることにした。
いつも集合かかったときには小塚君と連絡してるし、安心感があるの。
だから電話を掛けてみる。
私はスマホを耳に当てる。
『はい。小塚です。アーヤ?どうしたの?』
「あ、小塚君?彩です。ちょっと原口さんのことなんだけどね・・・」
『え?もしかして何かあったの!?何か嫌なことでもされたの!?』
え、あ、違う!違う!
「大丈夫。何もされてないから。」
『え?何だ・・・良かったぁ。何かあったらすぐに言ってね。何時でもいいから。』
ありがとう。
優しいね、小塚君は。
「ん、ありがと。本題に入るね。昨日、原口さんが私の家に来たの。」
『えっ!?本当に何もされてな・・・・』
「小塚君、聞いて。」
『あ、ごめん。続けて。』
ちょっと心配性すぎるな、小塚君・・・・・・
「それでね、私に謝ったの。今までのこと。本当に馬鹿だったって。すごく反省してたの。それは演技でも嘘でもない、心から本当にそう言っているんだってわかった。新しい自分になるって言ってた。だから・・・・今なら許してあげれるかなって・・・・」
『それ・・・本当?嘘じゃないの?』
「私から見たらとても嘘には見えなかったよ。」
『・・・・・信じられないよ。実際にその姿を見てないからわからないけど、嘘だと思う、僕は。今までアーヤのこと散々傷つけてきた人が急に反省して謝ってきて・・・・僕は嫌がらせされたアーヤ本人じゃないけど、許したくない。アーヤは優しすぎだよ。』
え・・・そんなことないよ。
ちゃんと謝っていたもん。
あれは嘘じゃないよ。
「そうかな。たしかに原口さんのせいで傷ついてきたのはそうだけど、あの姿は偽物なんかじゃないよ!」
私がこんなにはっきりと言えるのは、あの姿を見たから。
そして、原口希の過去を知っているから_____
どれだけ自分が傷ついたのか。
苦しんだのか。
それを聞いたからはっきりと言えるんだ。
『そっか。アーヤが言っているからそうなのかもしれないね。ごめんね、疑ったりして。このことはまた、KZで話し合った方がいいよ。』
うん、そうだね。
「じゃあまた何かあったら電話するね。もし集合をかけたいって私が言ったら皆に伝えてくれる?」
『ん、いいよ。』
「ありがと。じゃあ。」
『うん、じゃあね。』
私は電話を切った。
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萌音 - 完結おめでとうございます! (2020年11月29日 9時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
ゴールド - 完結おめでとうございます。凄すぎですね (2020年7月14日 17時) (レス) id: a978d9cb24 (このIDを非表示/違反報告)
氷麗 - 本当に感動しました!涙が出そうです! (2019年8月6日 17時) (レス) id: dceaffb367 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - ふぶきさん» 前々からコメントしてくださり、嬉しかったです!今まで読んでくださりありがとうございました! (2019年3月3日 18時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぶき(プロフ) - 完結おめでとうございます。すごく感動しました! (2019年3月3日 16時) (レス) id: e51245e093 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mirukuzery/
作成日時:2019年1月30日 18時