28、さようなら ページ31
私はもう、KZの皆の顔を見たくなかった。
『仲間』という関係から、『裏切った仲間』となったから。
若武の別荘を出て、私は歩き出した。
そしたら、『裏切った仲間』の1人が私の手を掴んできた。
彩 「!?」
そこには黒木君がいた。
黒 「このままKZを失っていいの?生き甲斐でしょ。」
何よ、生き甲斐を無くしたのはあなた達じゃない。
何、偉そうに言ってんの。
彩 「失っていいからKZ退団したんでしょ。ていうか私に関わらないでってさっき、言ったはずだけど?」
黒木君は目を鋭くした。
黒 「そう。君には残念だよ。」
彩 「私もだよ。本っ当にガッカリ。」
こんな最低な人たちだとは思わなかった。
彩 「もういいでしょ。私はKZをやめるから。そうしたら良いことだらけじゃない。私がいなくなって、皆、うれしいし、足引っ張られることもないし。最高じゃない。」
どうせそんなこと思ってるんでしょ。
いちいち、引き留めないでよ。
彩 「語学担当がいなくてもKZは成り立つでしょ。ま、せいぜい頑張ってね。言っとくけど、私がKZに戻ってくることは二度とないから。」
黒木君にこんなに反発したのは初めてだった。
今まで憧れていたから。
大人だなって。
今や、もう、バカバカしい。
大人って言っても同級生じゃないの。
彩 「さようなら。今までありがとう。」
私はそう言って、黒木君に背を向けた。
もう、引き留めてくることはなかった。
私は安心して、家まで帰った。
そして、家に到着。
ふぅ、安心、安心。
そんなことを思っていたのもつかの間。
マ 「彩っ!あんた、なんてことしたのよっ!」
ママに肩をガシッと掴まれた。
マ 「今、電話があったの。クラスメイトの女の子が『お宅の彩さんに毎日いじめられています。』って。どういうことよ!説明しなさい!」
私はもう、その言葉を聞いて、どうかしてしまいそうだった。
彩 「そんなことしてない!」
『バシッ』
左の頬が痛い。
触ってみると、ジンジンしていた。
向こう側にあった鏡を見ると、左の頬は赤くなっていた。
私、叩かれたんだ。
じゃあ、ママは私のこと信じてないんだ。
彩 「してないっていってるじゃない・・・何なの!皆して私のこと疑って!私のこと信じられないわけ!?」
マ 「彩!落ち着きなさい!」
私はママの手を振り払って外へ飛び出して行った。
マ 「彩!!!」
もう、全部が嫌。
皆、ひどい。
大っ嫌い。
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マイマイ - ものすごく面白くて、一気に読み進めちゃいました。頑張ってくださいね (2020年8月20日 16時) (レス) id: ff98810e28 (このIDを非表示/違反報告)
Honey(プロフ) - Kokone♪さん» あ、本当だ。ありがとう、教えてくれて。直しといたよ。 (2019年1月12日 14時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
Kokone♪(プロフ) - はーちゃん、5の、翼の言葉、『いるとやる気出ないし』なんだけど、『いないとやる気出ないし』じゃないかな? (2019年1月12日 12時) (レス) id: 1acdcbf3ab (このIDを非表示/違反報告)
Honey(プロフ) - ウサギさん» ありがとうございます!更新、頑張ります! (2018年12月16日 11時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
Honey(プロフ) - 心渚さん» うん、後編行くと思う・・・。 (2018年12月16日 11時) (レス) id: 75ace9b1e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Honey | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kokonehomupe/
作成日時:2018年11月12日 13時