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その日、智は仕事が休みだった。
天気も良いし、気分転換に散歩に出た。
ブラブラと歩いていると・・・・どうやら道に迷ってしまったらしい。
いつの間にか大通りから外れて、一本奥の道に入りこんだようだった。
「・・・・この感じ・・」
あの時と同じだ、と智は思った。
ぐるりと辺りを見回すと・・・・あの時と同じように、智の前には店があり、入口が扉を開けて待っていた。
『お兄さん、よかったら覗いてってごらん』
頭の中に響く声。
言われるまでもなく、智は店内へ歩みを進める。
そこは、あの時と同じ光景が広がっていた。
まっすぐに奥まで進み、カーテンを開ける。予想通り、そこには鏡だけが飾られていた。
『お兄さん、鏡のなかをジッと覗いてはダメだよ』
同じように、忠告する声。
智は、ためらうことなく鏡の前に立つ。
『こちらの世界とあちらの世界は、
表と裏
真であり偽である世界。
お前の世界は
正しき世界はーー、
ーーーお前自身は、どこに在る？』
智はジッと鏡を見つめる。
そこに映るのは・・・・間違いなくもう一人の「俺」。
「俺」もココへ辿り着いたんだと安心する。
「どちらの世界も真なり、だ。
ただ、俺の在るべき世界は此処じゃない。
・・・それだけのことだ」
そう。
アイツらの居るところが。
苦しい時も楽しい時も、逃げ出したい時も・・
いつも一緒にいてくれた、乗り越えてきたメンバー達の居るところが、その世界が智の在るところなのだ。
智にとっては、この世界のメンバー四人は「違う」のだ。どんなに姿形が同じでも。本物だとしても。
「だから、俺はアイツらのところへ帰るんだ。それが俺の世界で、そこが俺の在るべき場所なんだから」
鏡の向こうの「俺」を見つめ、智は己に言い聞かすように、声の主へ宣言するように、きっぽりと言い切った。
「俺」と目が合ったと思った瞬間、眩いほどの光に思わず目をつぶり、そのまま意識が遠のいていった。
気を失う直前・・・「俺」が笑ったように見えた。
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まゆまゆ(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoしゃーん♪こんにちは。わぁ、嬉しい感想がいっぱいで、ありがとうございます〜！アップするの不安なお話だったので、ホントに嬉しいっ。楽しんでもらえてよかったぁ。あ、次からはどうぞ「まゆちゃん」呼びで♪ (2015年12月16日 14時) (
レス) id: 4d46d16ed8 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - まゆまゆちゃん、おはようございます。面白かった〜！ 楽しかった〜！ そして感動した！ちょっとウルウルしちゃいました。 素敵なお話、ありがとう！ (2015年12月16日 8時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - なゆるさん» なゆちゃーん、ありがとうっ。そうなの、感覚や感性でこの五人じゃなきゃダメってのを書きたかったんだけど、それを文字にするのが難しかった〜。あっちの世界の五人も、こっちとは違う新しい形を見つけるんだろうなぁって。コメありがとうね！ (2015年12月15日 15時) (レス) id: 4d46d16ed8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - chikuさん» chikuさん♪はじめまして。楽しんでもらえてよかったです。もう一人の大野さんの世界、うっすらと妄想してたんですが纏まらなくて（苦笑）でもそう言って貰えるのはとても嬉しいです。もし形になったら書きたいなぁと思ってますので、その時は宜しくお願いします♪ (2015年12月15日 15時) (レス) id: 4d46d16ed8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - あやかさん» あやかさん♪楽しんでもらえて、私も嬉しいですっ。コメありがとうございました！ (2015年12月15日 15時) (レス) id: 4d46d16ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆまゆ
| 作成日時：2015年12月11日 12時
