第376話🦇まっふるもふのパチパチ番長 ページ41
*ミラ side*
ある日の昼休み、アタシは
その目的は―――
「イールマ！ 教科書返しに来たで〜」
「あっ、ミラさん！」
そう、今朝イルマに貸してもらった教科書を返しに来たのだ。
「わざわざ来てくれてありがとう！ 本当は、僕が取りに行こうと思ってたんだけど……」
「いやいや、借りたのはアタシやし持ってくるのは当然やって。ホンマありがとうな！ 助かったわ〜！」
駆け寄ってきたイルマに借りた教科書を返すアタシを、アリスは呆れたように睨んでくる。
「まったく……クラスメイトとじゃれ合って教科書を爆破された、などとふざけた理由でイルマ様のお手を
「い、いいってアズくん！ でも、爆破してくるクラスメイトってすごいね……;;」
「んふふっ、せやろ？ アタシの自慢のオトモダチやからな！」
自信満々に告げると、イルマは「そっか」と微笑んだ。
用事も済んだし戻ろうかと思ったのだが、クララがアタシのほうへ駆け寄ってきて何かを差し出してくる。
「ミラミラも食べてく!? “まっふるもふのパチパチ番長”！！」
「まふ……え、何て？？？」
初めて聞く単語に大困惑するアタシを見かね、イルマが説明してくれる。
「えっとね、クララ語で“からあげ”らしいよ」
「へぇ……独特な言い方やなぁ。ほんなら、せっかくやしいただこかな」
「はいッ、どーぞ！！」
クララに直接口の中に入れてもらい、からあげもとい“まっふるもふのパチパチ番長”を頬張る。
「んッ、めっちゃ美味い！！ なんなら食堂のからあげより好きかも！」
「でしょでしょ!? マミーがいっぱい作ってきてくれたの！」
「……そっか、ええお母さんやね」
小さく笑ってクララの頭を撫でてやりながら、ふと思いつく。
「ね、クララ。“まっふるもふのパチパチ番長”の作り方、アタシに教えてくれへん？」
「いいよ！ 誰かに食べさせてあげるの？」
クララの問いかけに、アタシはニヒッと笑って答えてやった。
「―――お世話になった
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
