第338話🦇恨みつらみ ページ3
*シャオロン side*
相談者の希望でやって来たのは、
「んで、相談って何＿＿＿」
ミラが相談者に尋ねようとした、その刹那―――相談者は、いきなりミラに向かって小さな瓶のような物を投げつけた。
「ッ！！ ミラッ……！」
俺が反射的に声を上げると同時に、ミラは家系能力で生み出した鏡でその小瓶をガードしていて。
「……どーいうつもりや、あんさん」
「アンタさえ…いなければッ……」
何やら恨みがましそうに呟き、相談者――もとい、女子生徒は再び小瓶を構える。
「アンタが何をしようとしてるんか知らんけど、何度やったって無駄やと思いまっせ？ ロクに鍛えてもないお嬢さんの投げじゃ、アタシには一生届かへんわ」
「……じゃあ、これならどうかしら？」
微かにほくそ笑み、女子生徒が目を向けたのは―――。
「……えッ、俺!?」
怪しい笑みを浮かべたまま、女子生徒は手に持った小瓶を何の迷いも無く俺に向かって投げつけてくる。
ヤッベ、完全に油断してた……！ これはさすがに避けるの無理かッ……!?
「シャオロンッ！！」
「え＿＿＿」
俺を庇うように駆け込んできた彼女に、謎の小瓶がもろに当たって中の液体が容赦無く降りかかる。
かと思えば……彼女は、突然気を失ったかのようにその場に倒れ込んだ。
「ミ、ラ……？」
明らかに不自然に地に伏せた彼女を目の当たりにし、一気に血の気が引くのを感じた。
「お前ッ、ミラに何して……！！」
バッと顔を上げて見てみるも、すでに女子生徒の姿は無く。
犯人を逃してしまった事実が悔しくて舌打ちをするも、すぐさま思い出してミラの様子を
「おいミラッ！！！ しっかりせえ！！！」
必死に声をかけて揺すり続けると、少しして彼女は目を覚まして。
「ッ！ 良かっ＿＿＿」
安堵して喜びを覚えたのもつかの間―――突然、ミラの生み出した鏡たちが俺に牙を
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
