第345話🦇講師の怒り ページ10
*アメリ side*
時は
ブルシェンコ先生に指示された通り、私は生徒会フル動員で校舎裏へ続く道を塞がせた。
これで、あの場所に生徒が入ってしまうことは無いだろう……。早くミラの元へ行って、ブルシェンコ先生のサポートをせねば……！
「おわッ!?」
「ッ！ すみませんッ」
反射的に足を止めて見てみると、そこに居たのは非常勤講師のラッダァ先生で。
「いやいや、気にしなくていーよ。にしても……そんなに慌ててどうした？」
「申し訳ありませんが、説明している暇は……」
……いや、待てよ。
確かこの講師……しょっちゅうミラと“遊び”をしては、彼女と共に怒られている
彼女と親しい上に、実力もある……もしかしたら、手を貸してもらったほうが良いのかもしれん。
そう考え、私は簡単に事情を説明することにした。
「……実はですね、ミラが何者かに襲われ…薬を盛られたようで。今は我を忘れて暴れ狂っており、その対応に＿＿＿」
事実を伝えると、ラッダァ先生の
「は……？？ ミラが、誰かのせいで暴れてる……？」
彼の莫大な怒りをひしひしと感じ、不覚にもゾッとしてしまった。
「……アイツ、どこ居んの」
「えッ……。こ、校舎裏…ですが……」
「りょーかい……んじゃ、俺行ってくるわ」
止めることもできず立ち尽くす私に、ラッダァ先生は「あ」と何か思い出したように振り向いた。
「俺がアイツ抑えてる間に、君は犯人探しといてよ。生徒会長なら、すぐ見つけられるだろ？」
「わ、わかりました……」
その言いようの無い静かな威圧感に、私は従うことしかできず。
「よろしくな」とだけ言い残し、ラッダァ先生は一瞬で姿を消した。
よくわからない悪魔だが……少なくとも、ミラに対して大きな感情を抱いていることは確かだろう。
その感情が、ミラの味方になってくれるといいんだが……。
少し不安に思いつつも、今更どうこうできるものでもなく……私は、ラッダァ先生を校舎裏に入れる許可を出したことを生徒会メンバーたちに伝達した。
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年9月11日 21時
