第344話🦇共闘成立? ページ9
*ブルシェンコ side*
「ラ…ラッダァ、先生……?」
シュピーゲルの脳天に容赦無くかかと落としをお見舞したその悪魔は、私にとってよく見知った非常勤講師だった。
「うげッ、居たんスかブルシェンコ先生……」
シュピーゲルと会うたびに殺し合いをしては私に
「……何をしに来た」
「いや〜、さっき偶然生徒会長と会いましてね? 聞けば、ミラの奴がおかしな薬で暴れ狂ってるとか……」
倒れ伏して動かなくなったシュピーゲルを見下ろし、彼はそう言葉を返してくる。
「……まさか、面白がって参戦しに来たわけじゃあるまいな?」
「それはまぁぶっちゃけ、無きにしもあらずって感じ?……んでも、やっぱ違いましたんで」
「違う……?」
何を言っているのか理解できない私をよそに、シュピーゲルがゆっくりと起き上がる。
そんな彼女に驚きもせず、ラッダァ先生は彼女のほうに向き直って続けた。
「俺はさ、殺り合ってる時のコイツの“顔”が好きなんだよ。心の底から楽しそうで、
シュピーゲルを真っ直ぐ見据え、彼はその手を強く握り締める。
「……今のコイツは、全ッ然楽しそうじゃない。今の自分が嫌で嫌で仕方なくて、苦しそうで……こんなの、俺の見たい顔じゃないんだ。―――だから俺は、“今の”ミラを“倒す”ためにここへ来た」
そう宣言し、ラッダァ先生は軽い感じで準備運動をし始める。
「なぁ、ブルシェンコ先生。アンタが俺のこと良く思ってないのはわかってるし、俺を好きになってもらおうなんざさらさら考えてない。ぶっちゃけ、俺もアンタのこと苦手だし。……けどさ、
―――“
ニヤリと憎たらしい笑みを向けてくるソイツに、私はフッとほくそ笑む。
「なるほど……合理的で気に入った。やるからには、足を引っ張るなよ」
「まーかせとけって。ご令嬢の“遊び相手”として、本領発揮してやんよ」
シュピーゲルに向かって駆け出すソイツのサポートをするため、私は魔術を放った。
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年9月11日 21時