第254話🦇鏡少女の恋愛観 ページ15
*シャオロン side*
「ところで、この年頃の男子ってみんなギャルゲーやってるもんなん？」
「まー、俺と大先生は何回か一緒にやったことあるで」
「僕はあくまでシャオロンに付き合ってただけやからな。リアルでモテモテな僕に、ギャルゲーなんて不必要なのさ……☆」
「とか言いつつさっきガチやったやんけお前」
俺が大先生に睨みをきかせる横で、ミラはあとの2人に尋ねる。
「トントンとゾムは？」
「あ、自分はそういうの興味無いんで」
「出たな童帝」
「ホンマかぁ？」
即答したトントンに、俺と大先生は疑いを込めた目を向ける。
「俺は〜……………FPS系のゲームばっかやってたからなぁ。てか、爆弾で遊ぶほうが好きやしな！」
「あー、なるほど。せやからお前、
「ッだあああああああ！！！！ 余計なこと言うなシャオロン！！！」
「おわッ!? ちょッ、照れ隠しに爆弾投げてくんなバカ！！」
わちゃわちゃする俺とゾムをよそに、トントンがミラに質問返しする。
「そういうミラさんは、俗に言う乙女ゲーとかやったことあるん？」
「アタシは……―――そもそも、恋愛とか興味あらへんし」
あっけらかんと答えたミラに、俺たちは揃って彼女の顔を見つめる。
「恋だの愛だの……アタシの人生には無縁やからな」
そう告げた彼女の瞳には、まるで……何もかもを諦めたかのような空虚さが
「……ほら、ボーッとしとらんとはよ
「お、おう…せやな……」
先を行くミラの背中を見送りながら、俺たちは微妙な雰囲気で顔を見合わせる。
「今の言い方……なーんか気になる」
「すでに先輩2人に惚れられとるのに、あんな言い方するなんてなぁ……」
「アレやない？ ミラちゃん、ええとこのお嬢さんやから……縁談とかで、お相手決められとったりして」
「それも、あるかもしれんけど……」
上手く言えんけど…何か、それ以上に事情がありそうな気が……。
……いや、今いくら考えたって答えは出んな。
「……とりあえず、ミラの言う通り
「そ、そうやな」
なんとなくミラのことが気になりつつも、俺たちは彼女の後を追うことしかできなかった。
第255話🦇かわいいお客さん→←第253話🦇大乱闘in談話室
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作者名：空文 晴霧 | 作成日時：2022年8月22日 9時
