第172話🦇彼なりの気遣い ページ29
*ミラ side*
翌日―――アタシは、重い気持ちで登校していた。
昨日帰った後、母さんにグチグチ小言言われたし……あ゛ー、ホンッマにイライラする。
何より…シャオロンに、嫌な思いさせてしまったやろうし…マジ最悪や……。
深々と溜め息をつきながらフラフラ飛んでいると、不意に後ろから肩を叩かれた。
「おーっすミラ! おはよう!」
「あ…シャオロン……」
いつものように明るく声をかけてくれた彼に、アタシはどんな顔をしていいのかわからず視線を落としてしまう。
「……その、昨日は……」
「ん? まーだ気にしとんのかお前! 俺は気にしてないって言うたやろ?」
アタシの言おうとしていることを察したのか、シャオロンは笑ってそう言った。
「それより、お前こそ大丈夫やったんか? 家の
「いや……別に。小言言われるんはいつものことやし、今更よ」
「ふーん……ま、家の
軽い感じでぼやいたシャオロンに、アタシは思わず声を上げる。
「ホンッマそれな!! バカみたいにアタシのこと縛ろうとしてきやがって、何様やねんって感じ!」
「おーおー、不満爆発やなぁw そういうの、全部受け止めてやっからさ。定期的に吐き出せよ? じゃないと、ストレス溜まって悪周期になっちまうぞ?w」
シャオロンのその言葉に、アタシはハッとする。
……そっか。シャオロンなりに、アタシのこと気遣ってくれてるんやな。
「……ん、そうやね。ほなお望み通り、アタシの愚痴聞くマンにしたるわw」
「へっ、ドンとこいや。この懐の広ーいシャオロン様が、どんな愚痴も聞いてやるぜ」
かっこつけて自分の胸を親指で差す彼に、アタシは自然と笑みをこぼす。
そんなアタシを見て、シャオロンはどこか安心したように微笑むのだった。
(そうやで、ミラ。俺らの前では、お前は何も考えず笑っててええんや。いつでも……俺らが笑わせてやるからよ)
88人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「魔入りました!入間くん」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空文 晴霧(プロフ) - くろほたるさん» こちらこそ素敵な感想ありがとうございます!! そうなんです、一方的じゃなくて互いに大きな存在となってるんですよ…!!! そう言っていただけると、頑張ってオリジナルストーリーを書き上げた甲斐があります(*´ ˘ `*) (5月21日 7時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - お互いがお互いを無意識に救いあっている💣🪞がなにより愛おしいです!!!!この絡みでオリジナルストーリーを作って頂き本当にありがとうございます…!!!! (5月21日 6時) (レス) id: 917d162833 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - 暁さん» 私もそう思いながら書きました…!!! 喜んでいただけて何よりです!! (2023年3月30日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
暁 - オうふっ...ゾムさんとの絡みてえてえ...っ! (2023年3月30日 13時) (レス) @page20 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» かわいいですよね…!!!(激しく同意) (2022年11月26日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年7月18日 13時