第93話🦇禁書お披露目 ページ46
*ミラ side*
「実はな、ここにイルマの奴を呼んでいるんだ」
「へっ?」
唐突に告げたアメリに、アタシはピタッと動きを止める。
「というのも、奴には今重大な使命を与えていてな……」
真剣な雰囲気を
「ソレは……?」
「我が家系に代々伝わりし秘蔵の品にして、人間界の事象を記した……禁書だ」
スッと差し出されその本の表紙には、初めて見る言語で何か書かれていた。さらには、目の大きなかわいらしい少女の絵も描かれている。
「コレが……禁書? けど、何て書いてあるか読めへんで」
「当然だ。この文字は、魔界の言語ではない。恐らくだが……人間の___」
アメリが言いかけたところで、談話室のドアがノックされた。
「しっ、失礼します!」
この声……イルマやん。
そういえばさっきアメリが、イルマ呼んでるって言うてたな……。
「ああ、入れ」
アメリが促すと、ドアが開いて予想通りイルマが入ってきた。
「あれっ……ミラさん!? ど、どうしてアメリさんと一緒に……!」
「なんだ、知り合いだったのか? 噂で聞いただけ、と言っていた気がするが……」
「『噂には聞いた』とは確かに言うたけど、『知り合いじゃない』とは一言も言うてませんで〜」
ケラケラと笑ってやると、アメリは呆れたように頭を抱えた。うんうん、おもろい反応ありがとうなw
「あんね、イルマ。アメリとは、アリスと同じように貴族の集まりで知り合いやったんよ」
「な、なるほど……」
イルマも納得したところで、アタシはアメリに向かって尋ねる。
「んで、なんで彼をここに呼んだん?」
「あぁ、それはだな……」
無駄に間を空け、アメリは禁書とやらをバッと掲げて答えた。
「―――コイツに、
「……ろーどく?」
キョトンとするアタシを置いて、イルマによる禁書朗読会が始められてしまった。
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空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» おおお…良い考察ですね(*¯꒳¯*) ミラちゃんの家系についてはいずれ描くつもりなので、どうぞお楽しみに! (2022年11月24日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
すずねこ - シュピゲール(あってなかったらすみません)家の鳥籠の中に自分(ミラちゃん)閉じ込められているように見えるから気に入らなかったのかな?面白かったです! (2022年11月24日 17時) (レス) @page50 id: 7959e43801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年5月12日 11時