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第90話🦇安寧の場所 ページ43

*ショッピ side*

「……良いですね。となると欲しくなるのは、やはり……」

アガレスくんに対抗するように俺が取り出したのは、ここに来るまでに買っておいたホットミルク。

「冷えや空腹は睡眠の妨げになりますからね」

「準備よすぎひん?w」

「伊達にいっつも寝てないってことですよ。ミラさんの分も買っといたんで、どうぞ」

アガレスくんにホットミルクを渡してからミラさんにも同じものを渡すと、「ありがとうございまーす!」と嬉しそうに受け取った。

それから3人でホットミルクで乾杯し、ソレを飲んでから眠る体勢に入る。

「ところで、ミラさんは結局どうやって寝るんですか?」

「もうししょーには乗せないからねッ!」

「わかっとるってw ショッピ先輩、枕になってもろてもええですか?」

満面の笑みでおねだりしてくる後輩に、俺は小さく溜め息をつく。

まぁ、さっきの添い寝地獄(天国)よりはマシか……。

「……いいですよ。好きにしてください」

「やった♪ ほな、おやすみなさーい」

寝袋にすでに入っていた俺の腹辺りに頭を載せ、彼女はすぐさま寝息をたて始めた。

「意外とよう寝る悪魔(ヒト)やな……」

穏やかに眠るミラさんを見つめてそうぼやいた俺に、アガレスくんは言葉を返してくる。

「……いや、むしろ逆だと思うけど」

「え……?」

「その悪魔(ヒト)、普段は寝つき悪いんじゃない?」

「目の下、かなり薄いけど(くま)ができてる」と告げたアガレスくんに、俺は驚いて彼女の顔を凝視してみた。

すると確かに、わかりにくいが目の下がうっすら黒い気がする。

「……全然、気付かんかった。俺らの前で、不眠症な感じ一切出してへんかったし……。それに、今だってすんなり寝とるのに……」

「……それってさ、


―――アンタらと居ると、心が安らいでるってことじゃないの?」


アガレスくんのその言葉に、俺はハッと目を見開いた。

「それって……」

「……ま、俺の知ったことじゃないけどさ。それより、早く寝ようよ…ふあぁ……」

ひとあくびし、アガレスくんはししょーの上ですやすやと寝始めた。

それを見て、俺も体を横にする。

……俺らと居ることが、ミラさんにとって心地良いものになっているかもしれない……。

……そう考えると、悪い気はせえへんな。

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空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» おおお…良い考察ですね(*¯꒳¯*) ミラちゃんの家系についてはいずれ描くつもりなので、どうぞお楽しみに! (2022年11月24日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
すずねこ - シュピゲール(あってなかったらすみません)家の鳥籠の中に自分(ミラちゃん)閉じ込められているように見えるから気に入らなかったのかな?面白かったです! (2022年11月24日 17時) (レス) @page50 id: 7959e43801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年5月12日 11時

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