第75話🦇鏡少女の願い事 ページ28
*ショッピ side*
チーノが音頭をとり、新入団員歓迎会は始まった。
新入団員たちが盛り上がる中、やけに静かな彼女のほうを見やる。
俺の隣に座っているミラさんは、どこか物
……やっぱり、様子おかしいな。
チーノが団長から聞かされた、あのデタラメな伝説の話をしてから……なんとなく、彼女が何か考えているように見えたのだ。
「……ミラさん、コレ食べます?」
紙皿に料理を盛りつけて差し出すと、ミラさんはパッとこちらを向いて笑った。
「わッ、ええんですか? ほな、お言葉に甘えていただきます〜!」
俺の手から料理を受け取った彼女は、すぐさまソレを頬張った。
「ん〜ッ、美味いなぁ! ホンマ申し訳ないわぁ、団員でもないのに楽しませてもろて」
「気にせんでええのに……まぁいいや。それよりミラさん」
「ん?」と料理を頬張りながらこちらに顔を向ける彼女に、俺は尋ねた。
「……もし、チーノが言ってた伝説が本当だったとしたら…何を叶えてもらいますか?」
俺の問いかけに、ミラさんは料理を食べる手を止めて目を瞬かせる。
「……うーん、そうやなぁ。『毎日楽しく過ごせますように!』、とか?w」
「……そうですか。単純だけど、良い願いですね」
なんとなく、なんとなくだけど……その願いは、彼女の真の願いではないような気がした。
それでも俺には、これ以上問い詰めることなんてできなくて。
「あ、見て見てショッピ先輩。シャオロンがウツのケツしばこうとしてんでw」
バシバシと俺の肩を叩きながらそう報告し、ミラさんはス魔ホを構えた。
それに
「ミラちゃぁん!! センパァイ!! 助けてぇぇぇ〜〜〜〜!!」
「あっはっはっはっヒィwwwww シャオさんサイコー!!www」
「安心してください、良い
「助けてほしけりゃ先立つものを……」
「ゲスしか居ねぇぇぇぇぇ!!!」
思いっきりケツをしばかれて喘ぐ大先生を撮りながら、ミラさんは涙目になるほど爆笑する。
その楽しげな様子を横目に俺は、いつか彼女の真の願いを知れる日が来ることを願うのだった。
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空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» おおお…良い考察ですね(*¯꒳¯*) ミラちゃんの家系についてはいずれ描くつもりなので、どうぞお楽しみに! (2022年11月24日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
すずねこ - シュピゲール(あってなかったらすみません)家の鳥籠の中に自分(ミラちゃん)閉じ込められているように見えるから気に入らなかったのかな?面白かったです! (2022年11月24日 17時) (レス) @page50 id: 7959e43801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年5月12日 11時