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第62話🦇消える感情 ページ15

*ミラ side*

あ゛ー、ヤバイ。胸クソ悪すぎて頭おかしくなりそう。

「あのクソ野郎……ゴールしたら、絶対ボコボコにぶち殺す」

ペアだった例のクソ男に対してふつふつと湧き上がる怒りをなんとか抑え込み、アタシは独りゴールを目指して飛んでいた。

「……ん?」

ふと下のほうで何か動いていることに気付き、アタシはそちらへと顔を向ける。

するとそこには、なぜか花に襲われているシャオロンが。

「……ふはっ、何してんのアイツw」

いつ見ても滑稽(こっけい)で笑える彼の姿を目にした瞬間、さっきまで胸中を支配していた怒りがすぐさま消え去るのを感じた。

「しゃーないなぁ。貴重なオトモダチくんやし、助けてやりますか」

いよいよ食われそうになったシャオロンを助けるため、大量の(ミラー)を生み出して構える。

しかし……アタシがソレらを放つ前に、どこからともなく現れたゾムがシャオロンを助け出した。

「あれまぁ、先越されてしもたか」

(ミラー)を収め、アタシは面白そうな予感を察知しス魔ホを取り出す。

そのままカメラ越しに観察していると、ゾムが“何か”を花の口の中へと放り投げた。

「穴見たら放り込みたくなるねんな。オレん()に代々伝わる、秘蔵の技。その名も―――〖溶岩遊泳(マグマダイブ)〗!!」

花の口の中から大量のマグマが噴き出す様を、アタシは惚れ惚れと眺めていた。

「あはっ…めっっちゃすごいやん……!!」

無我夢中でシャッターを切っている間に、2人はアタシの近くまで飛んできていて。

「あッ、ミラやん!」

「あれ? お前まだこんなとこ()ったんかい。てか、ペアの奴は……?」

独りで居るアタシを見て不思議そうに尋ねてきたシャオロンに、アタシはふっと視線を落とす。

「……知らん。お望み通り、ゴールまで連れてってあげただけや」

「?……ようわからんけど、せっかくやしお前もやろうで! “飛行試験(レース)で最下位の俺らがクラスの連中ごぼう抜きチャレンジ”!」

シャオロンの提案を聞き、アタシは即座に目を輝かせる。

「何それ超おもろそうやん……!! もちろんやるで!」

「よっしゃ決まりやな!」

「そしたらオレに良い案があるぜ!」

2人と話している間に、心の内にあった負の感情は綺麗さっぱりと消えていた。

第63話🦇飛行試験、終了→←第61話🦇ゴール地点にて



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空文 晴霧(プロフ) - すずねこさん» おおお…良い考察ですね(*¯꒳¯*) ミラちゃんの家系についてはいずれ描くつもりなので、どうぞお楽しみに! (2022年11月24日 20時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
すずねこ - シュピゲール(あってなかったらすみません)家の鳥籠の中に自分(ミラちゃん)閉じ込められているように見えるから気に入らなかったのかな?面白かったです! (2022年11月24日 17時) (レス) @page50 id: 7959e43801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2022年5月12日 11時

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