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第725話🦇今、言えること ページ9

*チーノ side*

「んぅ……」

微かに身じろぎながら声を漏らした彼女にビクッとし、慌てて手を離す。

「ふわ〜ぁ…あれ、いつの間にか寝てしもてた……」

ミラさんが体を起こすと、先ほどまで爆睡していたとは思えない素早さでウーモも起き上がった。

「あぁ、おはようさんウーモ。……と、起きてはったんですね先輩」

俺のほうを見てへらりと笑う彼女に、怪しまれないよういつも通りに振る舞う。

「あ……はい! まさか、ミラさんまでウーモと一緒に寝てたとは……」

「んへへっ、気持ち良さそうに寝てるアナタら見てたらつられちゃいまして……それじゃ、そろそろ帰りましょか」

「そ、そうですね……!」

ということで各々(おのおの)使い魔の召喚を解除し、帰宅することに。

師団(バトラ)室を出る間際、俺は彼女に向かって反射的に口を開いていた。

「あ……あのッ!」

「はい?」

「ッ……何かあったら、遠慮せず僕らに言ってくださいね。いつでも力になりますから!」

突拍子のない発言のせいで驚かせてしまったらしく、ミラさんは目を大きく見開いた。

しかし、すぐにその口元に笑みを浮かべて応える。

「はい、ありがとうございます」

「ッ……いえ!」

今の俺には、こんなことくらいしか言えない……その事実が情けなくて、ひどく胸を締めつけてくるのだった。

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空文 晴霧(プロフ) - ぎおののーとぱそこんさん» コメントありがとうございます! アズくんとの絡みは私もめちゃくちゃ楽しんで書いてます(笑) ファンクラブ立ち上げましょう!!\( `꒳​´ )/ これからも応援よろしくお願いします! (2023年4月7日 9時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
ぎおののーとぱそこん - 二回目のコメント、別機種から失礼します〜ミラちゃんと魔主役もやが、魔入間たち(とくにアズ君)の絡みが…神…。ミラちゃんと我々怪盗団…最高っす…悪魔ミラちゃん、性格が素晴らしい…ミラちゃんファンクラブ立ち上げたいっすわ…。陰ながら更新応援してます!! (2023年4月7日 3時) (レス) @page3 id: 1e15dc8a80 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!! ギャップの女・ミラちゃんですからね( *¯ ꒳¯*) 収穫祭編も気合いを入れて書きましたので、皆様にお披露目できる日が私も楽しみです(*´∀`*) (2023年3月27日 16時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 収穫祭で悪周期ミラさんが見れるのでは?と期待をしております!ミラさんの無邪気さと悪魔らしさのギャップでいつも心揺れてます〜!更新頑張って下さい! (2023年3月27日 15時) (レス) @page10 id: 925a09eca2 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» ありがとうございます!! どんどん匂わせていきますので、ご期待ください( *¯ ꒳¯*) (2023年3月26日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年3月17日 19時

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