検索窓
今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:28,796 hit

第675話🦇愛しき“不変” ページ7

*エーミール side*


「ごめんなぁッ……」


俺の口から吐き出されたのは、情けなさの塊のようなその一言だった。

「俺がもっと強い悪魔やったら、君にそんな怪我をさせることも無かったのに…君はこの数年でとても強くなったのに、俺は…何も変わってへんッ……!」

グッと拳を握り締めて唇を噛み締める俺の目から、悔しさの込もった(しずく)がこぼれ落ちる。

そんな情けない涙を、彼女はゆっくりと手を伸ばしてそっと拭った。

「確かに……エミ兄やんは、変わってへんよ。でも…アタシが言うたんは、そういうことやなくてね……」

恐る恐る目を向けると、優しく微笑む彼女の顔が目に飛び込んでくる。

「いろんなこと知ってて、優しくて……たとえどんなにアタシが変わろうと、笑顔で受け入れてくれる。……何も変わってへんよ、アナタは。昔っから……―――アタシの尊敬する、大好きなエミ兄やんやで!」

「ッ……!!」

その時俺は、彼女の言った“変わってない”の真の意味を初めて理解した。

……あぁ、そうやった。こんな俺のことを、君は昔からずっと慕ってくれて……。

いろいろ変わった君やけど、そこは変わってなかったんやなぁ……。

「だからな、エミ兄やん」

俺に笑みを向けたまま、彼女は俺の手をそっと握り締める。

「絶対大丈夫。だってアナタは、この大天才のアタシが心から尊敬する悪魔の1人なんやで? だから……ちゃんと信じてや、自分のこと」

「ミラちゃん……」

……そうだ、悲観的になっている場合じゃない。ここで彼女を守れなければ、本当に自分の価値がわからなくなってしまう。

諦めるな、思考を巡らせろ。何か必ず、打開策が……!

必死に脳をフル回転させていると、不意にミラちゃんが何かに気付いたように声を上げた。

「なぁ、エミ兄やん……その本、なんか光ってるで?」

「えッ……」

ハッと目を向けた先には、俺が家系能力で出した魔術書の1冊が転がっている。

その書物は……彼女の言う通り、光り輝いていた―――。

第676話🦇叡智の結晶→←第674話🦇守りたい、守れない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (57 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
133人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!! これからも頑張ります(*´∀`*) (2023年2月13日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
バー子 - 面白いお話、いつもありがとうございます!!応援してます!! (2023年2月13日 21時) (レス) @page12 id: ca2116eb16 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» コメントありがとうございます!! サバト編、ぜひお楽しみください( *¯ ꒳¯*) 11巻のutくん活躍シーンも私なりに描かせてもらってるので、いずれお目見えするのが楽しみです(´∀`) (2023年2月4日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 続編(15)おめでとうございます!!ミラちゃんいいですねえ!好き(告白)サバト編だから、あのemさんが見れるのか!wktkてか、そろそろで11巻のut活躍回が来るがミラちゃんは見るのかな?見たら大興奮だろうなぁ、これからも無理せず頑張ってください!!応援してます! (2023年2月4日 14時) (レス) @page1 id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年2月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。