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第678話🦇難しいこと ページ10

*ミラ side*

開かれたドアのほうに目を向けると、我々師団(バトラ)が全員集合していた。

「あッ……ミラさん!! もう目が覚めてたんですねッ!」

そう言いながら駆け寄ってくるチーノ先輩に続き、ゾムとウツも慌ただしく走ってくる。

「怪我大丈夫なんか!?」

「傷になってへん!?」

「あはっ、見ての通り完全回復やで。相変わらず心配性やなぁ」

飛びついてきたゾムの頭を撫でてやりながら、アタシは笑顔で答える。

「ホンマにお前は無茶ばっかしやがって……こっちの身がもたんわ」

呆れたように溜め息をこぼすロボロだったが、心配してくれてるのはその態度からちゃんとわかった。

「ごめんって〜。みんな、心配してくれてありがと___」

みんなを見渡して言いかけたその時、様子のおかしい人物に気が付いた。

「……シャオロン?」

みんながアタシのほうを見つめる中、1人だけずっとうつむいて押し黙っている。

アタシが思わず名を呼ぶと、彼はピクリと反応してゆっくりと口を開いた。

「……………ごめん」

「……へっ??」

なぜ自分が謝られているのかわからず、キョトンとしてしまう。

「俺も……エーミールと同じや。お前に、守られた……。怪我させて、ごめん……」

「え……いやいやいやいや、別にあんさんもエミ兄やんも悪ないで? せやから___」

「それでもッ……俺が、俺を許せんだけやから。……そんだけ」

アタシの言葉を遮ってそう言い、シャオロンは一度もアタシのほうを見ること無く背を向ける。

「じゃ……先、教室行ってるから。今日は無理すんなよ」

そう言い残し、彼は出ていってしまった。

その悲しげな背中を見て、ブルシェンコ先生の言葉が頭をよぎる。


『トイフェルは、今回の件をひどく重く受け止めているようだがな』


……そういう、ことやったんか。

「……まぁ、気にしてるのはシャオさんだけやないですけどね」

ポツリとそう呟いたショッピ先輩に、アタシは無言で目を向ける。

「形は違えど、ここに居るのはみんなアナタが大好きな悪魔ばっかなんで。……それは、忘れんといてくださいね」

ショッピ先輩の言葉に改めてみんなの顔を見てみると、一様に悲しそうにアタシを見つめていて。



あぁ…やっぱり、“守る”って難しいことなんやなぁ……。

第679話🦇野望にはほど遠い→←第677話🦇一夜明け



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空文 晴霧(プロフ) - バー子さん» こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!! これからも頑張ります(*´∀`*) (2023年2月13日 21時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
バー子 - 面白いお話、いつもありがとうございます!!応援してます!! (2023年2月13日 21時) (レス) @page12 id: ca2116eb16 (このIDを非表示/違反報告)
空文 晴霧(プロフ) - AYMさん» コメントありがとうございます!! サバト編、ぜひお楽しみください( *¯ ꒳¯*) 11巻のutくん活躍シーンも私なりに描かせてもらってるので、いずれお目見えするのが楽しみです(´∀`) (2023年2月4日 17時) (レス) id: 623713d1fa (このIDを非表示/違反報告)
AYM - 続編(15)おめでとうございます!!ミラちゃんいいですねえ!好き(告白)サバト編だから、あのemさんが見れるのか!wktkてか、そろそろで11巻のut活躍回が来るがミラちゃんは見るのかな?見たら大興奮だろうなぁ、これからも無理せず頑張ってください!!応援してます! (2023年2月4日 14時) (レス) @page1 id: 48240d13f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空文 晴霧 | 作成日時:2023年2月3日 21時

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