【魔主役】鏡使いの悪魔学校生活:VOL.1【魔入間】

第31話🦇特待生の噂 ページ32

*ミラ side*

「本日の召喚の儀、監督官を務めるモラクス・モモノキです。よろしく」

前に出てきた担当監督官の名前を聞き、アタシは首を傾げる。

シャオロンもアタシと同じ疑問を抱いたらしく、声に出していた。

「あれ？ 使い魔召喚の担当って確か、カルエゴ……って先生だって聞いてたけど」

「せやんな？」

シャオロンと顔を見合わせて首をひねり合っていると、モモノキ先生が気付いたようで答えてくれた。

「私は代理よ。カルエゴ先生は前のグループでの監督中にトラブルがあり、現在療養中で……」

そこまで言うとモモノキ先生は、何かに激しく悶(もだ)えるように赤面してアタシたちに背を向けた。

何にそんなに興奮しているのか不思議に思っていると、近くに居た生徒たちが何やら話しているのが聞こえてきた。

「なぁ……あの話知ってるか？ 例の特待生……“イルマ”の噂」

「アイツ、なんでもカルエゴ先生を使い魔にしちまったらしいぞ……」

「……ほぉ？」

彼らの会話を聞き、アタシは小さくぼやく。

つまり特待生(イルマ)は、悪魔であるにもかかわらず悪魔を使役した……？

そんなことが可能なんて話、歴史の長いうちの家系の中でも聞いたことあらへんけど……。

「……で、ウツはなんでそないに目ぇ輝かせてんの」

少し目を離した隙にいったい何を考えていたのか、ウツはいつになくキラキラした目をしていた。

「どーせ、自分もモモノキ先生を使役できるかもしれん〜……みたいなしょーもないこと考えてるんやろ」

「あー、なるほどw」

女好きのクズが考えそうなことやわw

「では、召喚で使用する羊皮紙を1人1枚受け取ってください」

謎の悶(もだ)えから気を取り直したモモノキ先生がそう言うと、ウツが真っ先に受け取りに向かった。

「ブレへんな、アイツ……」

「逆に安心するわw」

なんやかんやありつつも、召喚の儀は滞(とどこお)り無く開始されることとなった。

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