【魔主役】鏡使いの悪魔学校生活:VOL.1【魔入間】

第26話🦇彼女を突き刺す一言 ページ27

*ウツ side*

「え、シャオちゃんの怪我治してあげたのミラちゃんやったん？」

今朝、教室で2人に秘密だと言われたことが気になりしつこく尋ねると、ミラちゃんは観念したように打ち明けてくれた。

「せやで。もうちらほらと噂にはなってるみたいやけど……」

「はぇ〜……鏡を出す家系能力で、そんなことまでできるんや。ぐう有能やん」

「ま、使い手次第の家系能力やからね。有能が持てば有能な力に、無能が持てば無能な力に……ってな」

「あー……僕が持ったとしても、絶対宝の持ち腐れになること確定やわ」

けど、そんな家系能力をここまで使いこなせるなんて……やっぱすごいんやなぁ、この子。

「さてと……シャオ氏の分も取ったし、そろそろ戻りましょか」

「せやね。アイツ、腹ペコで死にそうになってる頃やろ」

ミラちゃんと談笑しながら、シャオロンが座っている場所へと戻る。

すると、何やら騒がしいことに気が付いた。

ミラちゃんも気付いたらしく、ピクッと反応してそちらを見やる。

「……ウツ、あそこ」

「うげぇ……あのバカ、今度は何に巻き込まれてん？」

見るとそこには、数人の生徒らに絡まれているシャオロンの姿が。

関わりたくないなぁと思いつつ様子を見ていると、不意に生徒の1人がシャオロンの腕を押して尻餅をつかせた。

「ッ……！」

「なッ……さすがに怪我人相手にそれやったらアウトやろ」

頼りになるミラちゃんも居ることやし、しゃあないから助けに行ってやるか……。

そう思い向かおうとしたその時、生徒がおもむろにこう言い放った。


「どうせテメーも、あんなヤツのことなんか便利な道具としか思ってねぇくせによォ！ じゃなきゃ、あんなイカレ令嬢とつるむわけねぇだろ！！」


「……え」

『イカレ令嬢』……って、まさかミラちゃんのこと？

便利な道具、って……何言うてんねん、あの野郎。

「ミ、ミラちゃん……」

チラリと様子を窺(うかが)うと、彼女は手に持ったお盆をグッと握り締め、うつむいていた。

初めて見るようなその顔に、どう声をかけていいのか僕が迷っている間に……シャオロンは、声高らかに言い返した。

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