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ずっと傍におるのに、何でも言う事聞いてやってるのに、何がそんなに不安なんやろう？
何でそんなに不満ばっかり言うんやろう。
紫耀は俺に色々求め過ぎなんとちゃうか？
それは他の人よりも多い位･･･。
「だって俺･･･今迄一度も廉に･･･好きって･･･好きって言って貰って無い！そんなんで廉が俺から離れていかないなんて･･･そんな自信なんてある訳無いじゃん！」
「は？」
今、紫耀は何て言うた？
「告白も俺からだし、俺はいつも廉に好きって言ってるのに･･･いっつも俺ばっかりが廉に好きって言って･･･廉はシャイだから中々言えないんだって･･･でも、慣れたらきっと言ってくれるって･･･そう思ってずっと我慢してたのに･･･でも･･･ずっと待ってたのに･･･廉は一度も俺に好きって言ってくれ無かった！俺が好きって言っても、廉はいつもうんとかフフって笑うだけで･･･俺には一度も好きって言ってくれなかった！俺はこんなに廉が好きなのに･･･廉が俺の事を想ってくれてるって･･･そんな確かな言葉なんて･･･一度も俺に言ってくれた事無いじゃん！」
「･･･え？嘘やん。」
ちょっと待って？俺、ほんまに言うた事無いんか？
紫耀の事好きって？もう付き合うて一年も経つのに？
その間に一度も好きって紫耀に言うた事無かったんか？
せやのに紫耀は、俺が言葉にするのをずっと待ってて我慢して。
だから紫耀はいつも不安で俺を束縛して監視するような事･･･。
何やねんそれ･･･全部俺が悪いんやんか。
俺がちゃんと言葉にしてやらんかったから、紫耀はどんどん不安になって･･･それで今迄あんな事･･･。
「ごめん･･･。」
「ごめんて何？やっぱりもう俺達終わりって事？やだよ！絶対別れないから！絶対やだ！絶対に廉と別れない！」
更にヒートアップする紫耀の両肩を掴んで落ち着かせようとする。
「ああ、ちゃうちゃう、そうやなくて･･･ごめんて言うのは、俺が紫耀に何も言うてんかった事や。」
「ぅえ？」
そう言えば涙に濡れる大きな瞳でパチパチと瞬きをして。
「俺、ちゃんと言うてるかと思ってた。って言うか、お前がいつも先に言うてくれてるから、俺の気持ち分かってんのかと思ってた。何か、改まって言うのも恥ずかったし。」
そうや･･･自分の気持ちを紫耀に言うのが恥ずかしくて･･･。
俺はずっと･･･紫耀に言えないままやったんや。
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
