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「何それ？どういう意味？無理って何？」
「ええよええよ、そんなん言うならもう別れよ。俺もう限界や。ええ潮時や。」
とうとう言ってしまった。
ずっと考えないようにしていた事を。
今迄は何とか紫耀の言う事を聞いて頑張ろうと思ってたけど･･･やっぱりもうしんどくて･･･。
「は？何で？何でそんな事言うの？それで良いの？ほんとに俺と別れるの？」
紫耀の瞳に初めて動揺が映る。
その瞳はゆらゆらと揺れて、少し水気を帯びていく。
でも俺もだいぶ追い詰めらとって、紫耀の事を気遣う余裕も無くて。
「ええも何も、お前かって俺の事信じられんのやろ？俺はこのままそんなお前と続けて行かれんもん。」
「嫌だ･･･嫌だよ！俺は絶対に廉と別れない！どんなに廉に嫌われても絶対離れないから！廉が好きなんだもん！ずっと好きなんだもん！」
縋る様に俺の両腕を掴んできて、必死に声を上げて。
「だったら、俺が嫌がるような事すんなよ！」
俺はその手を力いっぱい振り払った。
「だって･･･！」
紫耀の瞳から大粒の涙がボロボロと零れ落ちる。
「だって不安なんだもん！廉がいつ俺から離れて行くか･･･ずっと不安なんだもん！」
涙は後から溢れて、でも、紫耀はその涙を拭う事もせずに。
何で泣くのよ？
俺がお前を泣かしたんか？
俺がお前を泣かせるような事をしたんか？
「何でやねん。俺が何か不安にさせるような事したんか？今迄何でもお前の言う通りにしてきたやんか。せやのに何が不満なんよ？何で俺の事信じられんのよ？」
「信じられる訳無いじゃん！廉は俺に何にも言ってくれないんだから！」
「俺が何を言わんのよ！」
紫耀の言うてる事が分からんかった。
一体俺が何を言わんて言うんやろう？
いつだって何だって、正直に包み隠さず紫耀に訊かれてきた事には全部答えてきたのに。
「･･･好きって･･･俺の事好きって･･･言ってくれないじゃん！」
「そんなん、いつも言わんでも分かるやろ！」
「分かんないよ！」
「俺はずっとお前の傍におるやんか！お前の言う事聞いてるやんか！それで何で分からんのよ！」
そうや、どんなに紫耀に気に入らん事をされても、俺はずっと紫耀の傍におるやんか。
「分かる訳無いじゃん！俺はいっつも不安だらけだよ！」
「はあっ･･･お前･･･何でそんなに･･･。」
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年11月6日 0時
