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「違うんだ！廉は何も悪くないから！」
「びっくりしたぁ。」
紫耀が急に大きな声を出すから驚いた。
「だったら･･･。」
俺が悪いんやなかったら、何で俺を無視したりすんの？
「俺が、その･･･俺がちょっと自分の事でいっぱいいっぱいになっちゃってて。それで･･･廉の傍に居ると･･･俺･･･自分がどうしたら良いのか分からなくなるって言うか･･･。」
んん？紫耀の言うてる事がさっぱり分からん。
他のメンバーと居る時は全然平気そうなのに、何で俺と居る時だけそんな風になるん？
「それってやっぱり、俺が何か悪いんやないの？俺が紫耀の気持ちを乱すような事をしたんやないの？」
「そうじゃなくて！いや、そうかもしれないんだけど･･･。」
俺を見る紫耀の目はなんか辛そうやった。
「･･･あのさ、廉はさ･･･俺の事どう思う？その･･･男としてさ。」
「紫耀の事？男として？」
突然何を訊いてくるんや？
紫耀の事どう思うって･･･そんなん･･･。.
「そりゃあイケメンやし、優しいし格好良いし。お前に堕ちん女はおらんやろうなって。」
そうや･･･皆が紫耀に惹かれるんや。
ジャニーさんも認めた、眩しい程に輝きを放つ生まれながらのスター。
そんな紫耀に堕ちん女なんておらんやろう。
「･･･じゃあ、廉は？」
「え？俺？」
俺を見つめる紫耀の瞳がギラリと光ったように見えた。
「廉は俺に堕ちないの？廉は俺に惚れないの？」
「は？何を言うとんの？何で俺がお前に･･･男同士やん。」
何を言い出したんや？俺が紫耀に惚れないかって？
「ああ、だからそんなん関係ないやん。なんでずっと俺を避けてんのか、その理由を訊いてんのに。」
いきなり論点をずらされてちょっとムカ付いて。
「だから、別に廉を避けたりして無いって。」
「嘘やん。だって、全然口利いてくれんやん。全然俺の事も見てくれんやん。俺にムカ付いてんやろ？」
まるで昔の俺が紫耀にしたみたいに。
「違うって！俺、お前には嘘吐かないから！だって、俺はお前が･･･！」
「お前が？何やねん？」
急に紫耀は立ち上って俺を見て、そして頭をわしゃわしゃと掻き毟った。
「あーもう！俺は･･･お前が好きなんだよ！」
「･･･は？好き？」
･･･え？今、何て言うた？
好きって？俺を好きって事？
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作者名：弥勒
| 作成日時：2021年2月13日 0時
