Home Sweet Home １ (ページ43)

今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:546,848 hit

３ページ43

「くっ。」

俺の身体はその腕と足にガッチリ絡め取られて、そこから逃げ出す事が出来ん。

暫くどうしようか迷っていたけど、結局、紫耀の腕から抜け出すのを諦めた。

だって無理やもん。

こいつ重いし。

力では敵わんし。

少し上目で見ると、そこには紫耀の顔。

相変わらず整った顔に腹が立ってくる。

でもその瞼の下にはうっすらと隈が。

ずっと頑張っとるもんなあ。

寝る間も惜しんで練習しとるもんなあ。

「･･･綺麗やなあ･･･。」

言わずと知れた《国宝級イケメン》殿堂入り。

ずっと黙っとったらほんまのイケメンやのに。

喋ったら天然でお馬鹿大爆発やもんな。

本人違うって言い張るけど。

「･･･ギャップ萌えなんかな･･･？」

･･･俺は紫耀の事が好きや。

でも、何処が？って訊かれると答えに詰まってまう。

顔？性格？

･･･分からん。

やっぱ俺って勘なんよな。

第一印象から何か感じちゃったんやもん。

初めて紫耀に会うた時。

まだ子供やったあの日。

人見知りやのに、怖かったのに、絶対声掛けなあかんと思った。

皆に囲まれて喋ってる紫耀に。

何かな？

紫耀の周りだけ、凄く明るく見えたんやもん。

あれってオーラ？みたいなんかな。