百九十三話 ページ44
自然と溢れて、静かに頰を伝った涙を手の甲で拭い、戸を開いて外を見てみるけど、もちろんそこには誰もいなくて。
猗爿瓩覆呂困ない。
だけど、思い出してしまうんだ。
いつも彼は、
私の誕生日を一番にお祝いしてくれていたことを。
『…一昨年は違ったか…』
あの日は、私のためにいろいろ準備してくれていたから。
あの時、舞台の上で彼の姿を見たとき、本当に驚いたな。
だって、まさか歌うなんて思わないじゃない?
それも、すごく上手だったし。
そういえば、あの歌は…
…ジョングクの故郷では恋を唄った歌なんだったっけ。
『…、…っ、う、』
再び溢れ出した涙を今度は拭わずに、
一輪の花を、そっと胸に抱く。
ジョングクが隣にいないことに、慣れる日なんていつか来るのだろうか?
最初に町で彼を見つけた日から、片時も離れずにそばに居てくれたのに。
現に、1年が経っても私は、
いつも彼の面影を探してしまっているんだ。
会いたい。
ジョングクに、会いたいよ。
生意気なことばっか言って、また私を困らせてよ。
私の大好きなあなたのその笑顔を見せてよ。
JN「A?」
相変わらず、声をかけることなく部屋に入ってきた兄様は、泣きじゃくる私を見て一瞬目を見開くと、そのままゆっくりと私に近づき優しく抱きしめてくれる。
JN「A…。」
『…、なに?』
JN「お前の、
本当に欲しいものは何?」
『…、え?』
JN「俺はね。本当にお前のことが可愛いよ。
それに、この一年すごく助けられたから。
…だから、Aの一番の望みを叶えてあげたい。」
『それは…』
JN「本当の望みを言って。
どんなことでもいい。」
私が、一番欲しいもの。
今この瞬間も、
一番望んでいること。
私が本当に欲しい
そんなのもうひとつしかないんだよ。
未練がましくて嫌になる。
だけど、許されるなら…
『…、私は…
ジョングクが欲しいよっ、』
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時