百八十話 ページ31
スンヒの手からはじかれた剣は、回転しながら遠くへと飛ばされていった。
それをあっけに取られながら見ていた名家の長男は、自分がされたことに気づくと、顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。
SH「お、お前はさっきからなんだ!?
何様のつもりだ!?」
JK「それはこっちの台詞ですよ。」
スンヒの剣を思い切り弾き飛ばした張本人であるジョングクは、テヒョンを庇うように前に出ると、スンヒの胸ぐらを掴み上げる。
JK「あんたがさっきから失礼の限りを尽くしてるこの人が、その、城で話題の隣国の皇子だよ。」
SH「な!?嘘だ!」
TH「本当なのです。」
JK「…とにかく、あんたじゃ話にならない。早く奥へ通して。」
SH「だ、だが!」
JK「これ以上、無礼な真似をするならこのままここで斬り捨てるけど?」
SH「わ、わかった!
お前達、この者達を皇后の元へ案内しろ!」
顔のまん前に剣を突きつけられたスンヒは顔を真っ青にしてとっとと私達へ道を空ける。
JM「ジョングクのあれ、確実に個人的な感情こもってますよね。」
『間違いなくそうだと思うわ。』
衛兵の後ろに隠れるスンヒを虫けらを見るような目で見つめる彼に苦笑いしながら、やっと進みだした使節団に付いて城の中を進む。
城の中の雰囲気も随分と変わってしまった。
全員がピリピリとしているのが空気で伝わってくる。
見知らぬものが入ってきた不信感がそうさせるのか。
前はもっと暖かな空気だったはずなのに…。
ソクジン兄様、ホソク兄様、ユンギ、ナムジュン先生…。
皆で笑いあっていた少し前までの日々を、昨日のことのように思い出すのに。
「こちらでお待ち下さい。」
衛兵に案内されたのは、国王の間だった。
お父様の体が回復したのだろうかと少しの期待を
もったものの、開いた扉の先、玉座に腰掛ける人物を見て、激しい落胆を覚える。
「お前、どこかで見た顔だな?」
TH「…。
お久しぶりです、皇后様。」
静かに伸びた声に、体が凍りついたように冷えていく。
久しぶりに聞いた彼女の声は、以前に比べて更に冷たさを増したような気がする。
「お前、姫と城にいた男だな?まさか隣国の皇子だったとは…。皇子自ら密偵を引き受けるとは隣国もなかなかやりおる。」
TH「皇后。
密偵などと…私はそんなつもりでこの城にいたわけではありません。」
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時