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百六十九話 ページ20

最近、彼との距離を測りかねているのだ。


自分のことを守ってくれる人だということには間違いないけど。
それは、彼の仕事でもあるから。


心がどう動いたとしても、私たちは主人と従者と言う関係から抜け出すことはない。

多分、一生。




『私、ジョングクに依存しすぎかな?』

TH「どうだろう。俺にはそういう人がいないからわかんないけど…うらやましいとは思うよ。

お姫様はジョングクにどんな関係としてそばに居て欲しいの?」

『…え?』

TH「うーん、やっぱ今のはなし。



…まだ、気づかないでいて。」



そう言ってまた寂しそうな顔をするから、思わず彼の手を握ると、テヒョンは驚いたような顔を浮かべる。



TH「お姫様、それはずるいよ。」

『なにが?』

TH「俺、今たぶらかされ中です。」

『これは…テヒョンが悲しい顔するから!』

TH「俺?…じゃあずっと悲しい顔しとく。」


そう言って、わざとらしく眉をたらすテヒョンに、馬鹿。と呆れると、ちぇーと言って湯のみを手に取る。



TH「みんなが幸せになれたらいいのにね。」

『うん。




!…テヒョン、ちょっと待って!』

TH「ぶほっ!!」



湯のみを傾けた彼の腕をつかむと、中のお茶がこぼれて見事に彼の顔へと降り注いだ。




TH「おぼれるかと思った…」

『わー!ごめん!

でも見て!!』


湯飲みを奪い取り、底が彼に見えるようにする。
















TH「あ。赤い花。」

『うん。よく見たらこの店の他の食器にも描かれている。』

TH「!本当だ!」

『…本物の木のことじゃなかったのね。」




意地悪だなー。

ジミンが聞いた茶屋は、おそらくここで間違い無いだろう。

人があまり来ない小さなお店。
密会するにはうってつけだ。



『じゃあ、ここで待ってれば…


…テヒョン?』






店の入り口を見て固まったテヒョンに、後ろを振り向こうとしたところで彼に手を捕まれる。



後ろを向きかけていた体を押しとどめ、そのまま店に入ってきた団体が隣を通り過ぎるのを待つ。






身なりのいい服装をした男が2人に、その間に守られるようにして歩くのは、おそらく女だろう。

その後に続いて用心棒らしき男達が3人。





TH「お姫様…あれ…」

『ええ。少ししか見えなかったけど、あの女官に間違いない。』

TH「…やっぱり、」




外套のせいで顔が隠れていたけれど、城で何度かすれ違っていたので、彼女の顔は良く覚えていた。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 韓ドラ   
作品ジャンル:恋愛
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時

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