百六十二話 ページ13
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JK「あなたが好きです。」
気がついたら布団の上に倒されて、
つらそうに顔をゆがめるジョングクの顔を見上げていた。
JK「好きすぎて…苦しい…っ」
『…っ』
気にしなくていい、なんて言ったくせに。
ジョングクは嘘つきだ。
JK「…泣かないでください。」
『私だって、…泣きたくなんかないわよ。』
それに。
自分だって、今にも泣きそうな顔をしてるじゃない。
好きになってごめんなさい。
と、そう小さく呟いた彼に、一気に涙があふれ出る。
ジョングクを思う気持ちは私の中にいろんな形であるのだけれど、それを言葉にするのは、怖いんだ。
自分でも不確かなこの気持ちは、今まで私達が積み重ねてきた全てを壊してしまいそうで。
ただ、言えるのは、
彼は私にとって、とてもとても大切な人だということ。
『応えられなくて、ごめんなさい。』
本当の本当は、あなたに伝えたい気持ちがきっとたくさんあるはずなのに。
JK「あなたが謝る必要なんてない。」
涙を流す私を見て、ジョングクが頬をつたうそれに口付ける。
ぐっと近づいた距離に心臓が音を立てた。
少し動かした腕を、逃がさないとばかりに彼の腕に掴まれて、そこから動けなくなる。
JK「姫様?」
『何?』
JK「このひと時だけを俺にください。」
『…え?』
JK「これが、最初で最後です。
…嫌なら俺の手を振り切って。
あなたをとどめておくほどの力は込めていません。」
『ジョングク…、』
ゆっくりと近づく距離に、息をするのも忘れてしまう。
ジョングクの言った通り、私を縫い止めている彼の腕にはさほど力は込められていない。
いつだって、逃げられる。
いや、逃げなくちゃいけない。
それなのに。
『ん、』
ゆっくりと重なった唇に、身じろぎ1つをしただけで、そのまま彼の全てを受け止めてしまった。
不安そうに触れた彼の唇は、角度を変えながら何度も何度も私の唇に熱を与える。
口付けって、こんなにも切なくて、
こんなにも胸が苦しくなるものなの?
唇を通して、ジョングクの気持ちが伝わってくるようで、どうしようもなく彼のことを抱きしめたくなる。
だけど、私の腕を掴む手がそれを許さない。
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時