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百七十四話【TH】 ページ25




 






「…そっか。」

 

言われたことは悲しいはずなのに、俺を見るAの瞳が少しだけ濡れていて、
それがあまりに綺麗で、こんな時なのに見とれてしまった。

 


『ごめん…、』


 


謝らなくたっていいのに。





だって俺、わかってた。





ジョングクに帰ろうと言ったAを見た時から、いや、本当は最初からわかってたんだ。

だけど、伝えないまま終わるのは嫌だったから。

 



 

__昨日からずっと、彼女と初めて会った日のことを思い出していた。


 





____

_______1年前


 






 











『ねぇ、あなた。新人?』

「え?」


 



 







えーと…


誰だろう?

 




ソクジン皇子に拾われて、この城で馬番を始めてから一週間。

目の前で目を丸くするこの女の子は初めて見る。


 


「うん。ここに来てまだ一週間だよ。」

『そうよね。びっくりした。あんまり綺麗だから、一瞬人じゃないかと思った。』

 



男が使うような口説き文句を言うその子は、自分のほうこそとても整った綺麗な顔立ちをしていた。

 

『ねぇ、名前は?何ていうの?』

「テヒョンだよ。君は?」

『私はA。テヒョン。ここに時々遊びに来てもいい?』

「いいけど、なんで?」

『そんなの決まってるじゃない。

あなたともっと仲良くなりたいから。』

 

そう言って、彼女はとても綺麗に笑うと、今日はもう行くねと言い、帰って行ってしまった。
 


 

それからというものの、Aは本当に頻繁に馬小屋に訪れるようになった。

ふらっとやってきては馬と戯れたり、俺と話をして適当な時間に帰っていく。

Aがどこの家の子だとか、何も知らなかったけれど、そんなことはどうでも良かった。

彼女と過ごす時間は、とても楽しかったから。
















 

『テヒョン、城内ですごく噂になってるよ。』

「なんて?」

『神様の使いみたいに綺麗な子が馬の世話をしてるって。』

「なんだよそれー」

『褒められてるのよ。』

「ふーん。俺はAの方がずっと綺麗だと思うけど。」

『はぁ!?何言ってんのよ!』


 
少し褒めると顔を真っ赤にする彼女はすごく可愛い。

Aと一緒にいるとすごく楽しい。

こういうのを、友達っていうのかな?


 
 
「ねぇ。Aと俺ってさ…


!」

『誰か来た?

げ。
ごめん、ちょっと隠れさせて。』

「え?」

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 韓ドラ   
作品ジャンル:恋愛
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d2y - 色々な作品を物色し見てはこの作品に戻り、、を繰り返し4周しました!とてもとても素敵な作品で、大好きです!もちろんbtsは最高ですが彼ら抜きでも良いと感じられる物語でした。ミロ様、いつも楽しい時間をありがとうございます!これからもずっと応援してます! (1月11日 12時) (レス) @page50 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
はんだごて - 少し間を空けて2周しましたが、何度でも読みたい作品でした!!本当にお金出して見たくてせめてWiFi切りました!!!形に残してほしいほど貴方には才能があると思います。とても素敵な作品をありがとうございます!ずっとずっと応援してます無理なさらずご自愛ください (2022年9月15日 12時) (レス) @page50 id: 95ed82d62c (このIDを非表示/違反報告)
ソヨン - もう大好き過ぎます(;ω;)今回もたっぷり泣かせてもらいました! (2022年4月13日 16時) (レス) @page50 id: bd4a77815f (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ泣いた。ありがとう。 (2022年2月20日 18時) (レス) @page50 id: 99b69b2f94 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃもち - ジミンちゃんが切なすぎます。。。。涙が。。。。素敵なお話でした👏🏻💫 (2021年12月24日 16時) (レス) @page50 id: 2a9c6ecc5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミロ | 作成日時:2019年8月17日 22時

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