紅一点干物女の憂鬱 ２

日本でのお仕事 ページ47

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〈10分休憩とります！〉


監督さんの言葉に役者さん達がバラバラと散っていく。
今回初めて演技のお仕事をやることになり、撮影が始まってから1ヶ月が過ぎた。
マネオッパにドラマの話をもらった時は驚いたけど、やってみて良かったと思う。

脚本を見た時から思ったけれど、すごく面白いお話で、案の定反響があって雑誌の特集を組んでもらったりもして、そこには当然BTSのAとして紹介されて。

やっと私がグループのために出来ることが見つかったと思って嬉しかった。



〈日本、慣れました？〉
《あ、はい。元々言葉には困らないので》
〈そっか。今日の夜Mステですっけ？〉
《はい！》
〈絶対見ます〉

ニコッと笑ったその人は、今回のドラマで相手役を演じてる俳優さん。
最初はぎこちなかったけれど今となってはかなり打ち解けた。

『ありがとうございます、吉沢さん』

あと！ものすっごく美形。
オッパ達で慣れてるのに、それでもビビるくらいの美形。
監督に呼ばれて去っていった彼に見惚れながら、そうか。今日久しぶりにメンバーに会うんだって嬉しくなった。


　

けども。

　



　









TH「プレイガールのお戻りだよ」
『もー、だから昔の話ですって！』


テレビ局の楽屋に入ると、早速拗ね散らかしたテテオッパにじとーっと睨まれた。ステージ用のメイクでキラキラアイドルオーラ全開なのにそんな顔したらもったいないぞ。


TH「誰」
『えー』
TH「初恋の相手は誰！？」
『声でかー』

　
横からぎうっと抱きしめられ、耳元で吐けー。と呪いのように囁かれる。やめろーゾクゾクする！

この間のブイライブで余計な事を言ってしまったばかりに、あの日から私のカトクは初恋相手を問いただすメンバーのメッセージで埋め尽くされていた。

　
JK「ヒョン！離れてください！ヒョンはヌナにくっつきたいだけでしょう」
『ジョングガー』
JK「ヌナ？選んでください。
ヌナの初恋相手をあの世に送るか、僕と一緒に死ぬか」
『ソフトに病んでる』
JM「お前そんなんだから根暗って言われるんだぞ」
JK「黙れ下さい」
HS「でも妬けるよ、普通に」

　

え。



HS「Aにそんな相手がいるなんて面白くない。しかも俺達が知らない奴なんて」

　

トゥンク…

　
まさかホソクオッパがこの話に加わるとは思わなくて軽率に胸がぽわっと温まるなどした。


　
TH「あー！面白くない！」
『うるさいなー』
TH「兄不幸者！」
『はいはい、もうそろ出番ですよー』

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